UPDATE 2-HP 5─7月期は8%減収、14年度増収見通しに暗雲 主要事業のトップ交代を発表
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[サンフランシスコ 21日 ロイター] - 米コンピューター大手ヒューレット・パッカード(HP) が21日発表した第3・四半期(5─7月)決算は、売上高が272億ドルとなり、前年同期の297億ドルから8%減少した。
パソコン(PC)販売の減少が続いたうえ、世界的にIT投資が低迷するなか企業向け事業も苦戦を強いられたことで、売上高は予想平均の273億ドルにも届かなかった。
純利益は13億9000万ドル(1株当たり0.71ドル)。前年同期は、2008年にエレクトロニック・データ・システムズを買収した際に継承したITアウトソーシング事業に関連し多額の評価損を計上したため、89億ドルの赤字だった。
一時項目を除いた1株利益は0.86ドルと、トムソン・ロイター・エスティメーツがまとめたアナリストの予想平均と一致した。
同社株は21日の米株市場通常取引終了後の時間外取引で8%下落し、23.42ドルをつけた。通常取引終値は1.8%安の25.38ドルだった。
HPはこの日、エンタープライズグループ事業のトップ交代を発表した。ビル・ベグティ最高執行責任者(COO)が即日付で、同事業のトップだったデーブ・ドナテリ氏の後任に就く。ドナテリ氏は、買収対象を探すポストに異動する。
大企業向けにサーバー、ストレージ、ソフトウエアサービスを手掛けるエンタープライズグループはPC事業に次いで規模が2番目に大きい事業で、利益率押し上げと売上高の減少抑制を目指すメグ・ホイットマン最高経営責任者(CEO)の取り組みにおいて重要な部分と位置付けられている。
エンタープライズグループ事業の5─7月期は9%の減収となった。CEOは「非常に失望している」と語った。同事業はHPの売上高全体の約4分の1を占める。
ホイットマンCEOは電話会議で「2014年度の見通しに関して変更がいくつかある。特に5─7月期のエンタープライズグループの業績だ」と指摘。CEOは5月にHP全体として2014年度の増収はなお可能との見方を示していたが、「私が期待したように2014年に増収となる可能性は低い」と述べた。
ベグティCOOは米マイクロソフト で20年務めた後、2010年にHPに入社。マイクロソフトではウインドウズ部門のビジネスサイドでトップを務めたほか、サーバーソフトウエアの開発・マーケティングにも携わった。企業のITインフラが、データの保存や処理を社内施設の大型サーバーが担う従来モデルからクラウドやソフトウエアベースのモデルに移るなか、ベグティ氏の経験は大いに役立つとみられている。
ホイットマンCEOは、HPは戦略的買収の市場に復帰していると表明。CEOは同社が変化し続けるには買収が不可欠とみている。
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