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事件
【原発汚染水】対策は破綻状態 同型タンクから漏出も現実味
東京電力福島第1原発で22日、地上タンクから新たな汚染水漏れの可能性が浮上した。同じ型のタンクは約350基あり、次々と汚染水漏れが出る懸念が拭いきれない。東電や国の対策も手詰まり状態で、タンクに貯蔵するという「最後のとりで」が崩壊した場合どうするか。先が全く見通せないでいる。
原子力規制委員会の更(ふけ)田(た)豊志委員は21日の汚染水対策検討会で「他のタンクでも汚染水漏れが起きると考えなくてはいけない」と話したが、それがまさに現実味を帯びだした。
問題はタンクから排水溝を通じて外海に直接つながっており、海洋汚染を防ぐ方策がないことだ。東電は再発防止へ、同型のタンクのパトロールをこれまでの1日2回から3時間ごとに改める方針を示したが、抜本的な漏(ろう)洩(えい)防止策はない。
タンクに汚染水をためないことが一番有効な方法で、東電は山側から建屋に流れ込む地下水を汚染前にくみ上げて海へ放出する計画を立てているが、地元の不信感が高まり頓挫。汚染水から放射性物質を除去する装置も腐食が見つかり停止したまま。事実上、タンクによる保管しかないのが現状だ。
もう一方の汚染水漏れである地下水からの海洋汚染も防ぎ切れていない。
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