兼子氏は現在、独自に開発した姿勢矯正のストレッチ「スポーツストレッチ」の専門店を経営する。30歳で番組に出演し、専門店を「成田空港に開業したい」とプランを披露したが、あえなく玉砕した。だが、いまや「年商4億円、6店舗を展開する」(兼子氏)までに成長している。
兼子氏は「お金が欲しかったというよりは、プレゼンが響かなかったことが悔しかった。あそこでプランが通らずに、事業を見直した結果がいまにつながっている。断られたことが糧になった」と振り返る。
当時とは逆の立場になったいま、同じ経営者として苦しい立場に立たされている社長たちをどう見ているのか。
「僕は、社長には2種類あると思っている。ひとつは商業的な成功しか考えていない商業社長。もう一方は、何か新しいことを成し遂げたいと思っている事業家社長。事業が行き詰まってしまった社長さんは、みんな前者のタイプだったと思う。もうけのことしか頭になかったから限界がきたんじゃないでしょうか」
かく言う兼子氏には、商業的な利益とは別に「姿勢矯正を義務教育に盛り込む」夢があるという。
再起を図るかつての「虎」に、「商業社長の殻を破って頑張ってほしい」とエールを送る兼子氏。「もし、当時とは逆に出資を持ちかけられたら」との問いには、「プレゼンによりますね」と答えた。
「虎」たちはこの言葉をどう聞くか。