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汚染源のトレンチ 水抜き開始
8月23日 4時13分

福島第一原子力発電所で、汚染された地下水が海に流出している問題で、東京電力は汚染源の1つになっている「トレンチ」と呼ばれる地下のトンネルから高濃度の汚染水を抜き取る作業を始めました。汚染水の流出を防ぐための重要な作業の1つですが、技術的な難しさもあり、課題になっています。

福島第一原発では、ことし5月以降、海に近い観測用の井戸や港から高い濃度の放射性物質が検出されたのをきっかけに、汚染水が地下水とともに海に流出していることが明らかになりました。
対策の1つとして東京電力は原発の海側にあって高濃度の汚染水がたまっている「トレンチ」と呼ばれる地下のトンネルから水を抜き取る作業を22日午後から始めました。
作業が始まったのは、2号機のタービン建屋の海側、海から60メートルの場所にあるトレンチで、およそ210トンの汚染水がたまっているとみられています。
抜き取られた汚染水は、いったん2号機のタービン建屋に移した後、放射性物質を減らす装置を通した上で、敷地内のタンクにためることにしています。
トレンチの高濃度の汚染水の存在は事故直後から分かっていましたが、今回、海への流出が明らかになって、ようやく汚染源の1つを絶つ対策として、水を抜く作業が始まりました。
福島第一原発ではトレンチ全体で、合わせて1万5000トンの汚染水がたまっているとみられ、その抜き取りが急務となっています。しかし、大量の汚染水がたまっているタービン建屋とつながっている部分があるため、トレンチからの水の抜き取りはその汚染水の流入を防ぎながらの技術的に難しい作業で、完了時期のめどは立っておらず課題になっています。

汚染土の回収開始へ

福島第一原発にあるタンクから300トン余りの汚染水が漏れ出た問題で、東京電力は、汚染水がしみこんだ土の回収を23日から始めることにしていますが、地下にはケーブルなどが張り巡らされているところもあり回収がどこまで進むかは不透明な状況です。
福島第一原発にあるタンクから300トン余りの汚染水が漏れ出た問題で、地表に残っていた水はごく僅かで、排水溝の汚染も少ないことから、汚染水の多くは土にしみこんだと見られ、東京電力は地下に汚染が広がるのを防ぐため23日からタンク周辺の土の回収を始めることにしています。
具体的には、初めに重機で深さ50センチほど掘り起こし、表面の放射線量を計り、放射線量が高かった場合はさらに深く掘って、汚染されていない場所と同じレベルに下がるまで掘り進めるということです。
ただ、どこにどれだけの汚染水がしみこんだか分からないうえ、地面の下にはケーブルなどの設備が張り巡らされているところもあります。
東京電力はまず、地下に設備がないことが確認されている場所から作業を始めるとしていますが、回収がどれだけ進むかは不透明な状況です。

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