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【国際】

シリア毒ガス使用か 反体制派「1300人が死亡」

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 【カイロ=今村実】シリア内戦で、反体制派「国民連合」の幹部は二十一日、「アサド政権が首都ダマスカス郊外で化学兵器などを使用し、千三百人が死亡した」と主張した。ロイター通信などが伝えた。一方、政権側は使用を否定している。真相は不明な点が多く、犠牲者数をめぐっても情報が錯綜(さくそう)している。 

 本紙のインターネットを通じた取材に、首都郊外グータにいる反体制派「自由シリア軍」兵士で、救助活動をした男性は「かつてない広範囲で被害が出ている。子供を含む数百人もの遺体を見た」などと証言。一帯は通常は戦闘がなく、建物の多い住宅地という。

 化学兵器の使用や千人を超す犠牲者が事実なら、近年ではイラク北部ハラブジャで旧フセイン政権が約五千人を殺害した事件(一九八八年)に次ぐ大惨事となる恐れがある。

 反体制活動家らが本紙に提供した現場映像は、信ぴょう性は不明だが、多数の犠牲者が写っている。建物内の一室で就寝中だったとみられる一家ら十数人は、そのまま意識を失って、死亡しているように見える。別の映像では、男性が呼吸に苦しみ、口から泡を吹く様子が写っている。

 ロイター通信によると、首都近郊ドゥマの看護師は「犠牲者らは神経ガスの被害者の特徴を示している」との医師の話を語った。

 反体制派活動家は、二十一日未明にダマスカス郊外の複数の地域に政権側が化学剤を搭載したロケット弾で攻撃したと説明した。

 「国民連合」幹部はトルコのイスタンブールで会見を開き、国連安全保障理事会の緊急会合を要請。一方、政権側は国営通信を通じて化学兵器の使用を否定し「国連調査団の活動を妨害しようとする動きだ」と非難した。

 

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