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【社会】

実教出版の高校教科書 埼玉県教委 8校採用

 国旗国歌をめぐる実教出版(東京)の高校日本史教科書の記述を東京都などの教育委員会が問題視している問題で、東京都教委は二十二日、来年度に実教版を使用する学校がゼロ校であるとの採択結果を議決した。都教委の方針が影響したとみられる。これに対し、埼玉県教育委員会は同日、八校が希望通り実教版を使用するという内容で採択。対応は大きく分かれた。

 実教版教科書は、国旗掲揚と国歌斉唱について「一部の自治体で公務員への強制の動きがある」と記述。これに対し都教委は六月、「都教委の見解と異なる」と使用の適否に踏み込む異例の見解を議決。教育現場から反発の声が出ていた。

 問題視された教科書は実教出版の「高校日本史A」と「高校日本史B」。今年は都立高校のうち、一、二年生で使う延べ二百一校が採択の対象としたが、結果的に選んだ学校はなかった。

 都教委高校教育指導課は「採択権は都教委にあり、不当介入には当たらない。各校が都教委の通知を踏まえ、現場の判断で他の教科書を選んだということ」としている。

 都教委は本年度の使用教科書についても選定中の昨年七月、一年生で日本史Aを教える十七校に「都教委の考えと合わない」とする電話を入れ、結果的に実教出版の教科書を選んだ高校はなかった。

 一方、埼玉県教委の定例会では、実教出版の日本史教科書について「不適切で遺憾」などと懸念を示す意見も複数出た。だが、国旗掲揚や国歌斉唱について、他の教科書の記述例などを比較する「指導資料集」(仮称)を新たに作成し、授業に活用することなどを条件に採択された。

 実教版教科書をめぐっては、大阪府教委が「記述が一面的」との見解を表明。神奈川県では県立高校二十八校が県教委の要請を受けて実教版から別の教科書に使用希望を変更し、そのまま二十日に採択された。

 

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