戦時中の69年前、沖縄から九州へ疎開する約1800人の学童や民間人を乗せて沈没した「対馬丸」の犠牲者を悼む慰霊祭が22日、那覇市で開かれた。汽笛の音が流れるなか、1分間の祈りが捧げられた。
対馬丸は1944年8月21日、長崎を目指して那覇港を出港。しかし翌日、鹿児島県の悪石島(あくせきじま)沖で、待ち伏せていた米潜水艦の魚雷を受けて沈没。生存者は400人ほどにとどまった。
慰霊祭には、生存者や犠牲者が通っていた那覇市内の小学校の児童らも出席。高良政勝・対馬丸記念会理事長は「疎開は国策だったとはいえ、幼くして命を失ったみなさんを忘れてはならない」と語った。