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ライフ
【書評】『誇り高き国へ』北村経夫著 日本に必要な「大人の本気」
2013.5.4 11:28
初めてこの本の原稿を読ませていただいたとき、文脈からにじみ出る「志」を感じました。野球に例えるなら「一球入魂」というところですが、原稿に魂が宿っているかのように、「一冊入魂」の原稿に鳥肌がたつ思いをしたことを覚えております。
この本は、元産経新聞社政治部長の著者が、なぜ政治の世界に転身したのか? 政治家になって何を志すのかが明確に書かれています。
岸信介、佐藤栄作という2人の首相を出した、山口県熊毛郡田布施町に生まれ育ち、昭和60年から政治部記者として当時の中曽根康弘首相に張り付いて取材し、リアルタイムで日本の政治を見てきた著者にしか書くことができない出来事にもふれております。
また、幕末の倒幕運動の中心となった長州藩士たちが自らの軸を決して曲げずに明治維新に導いてきた例を挙げ、次世代が「誇れる国日本」を受け継いでいけるよう、国家として生き残る強さ、日本人の素晴らしさ、日本人の強さを守ることが政治家をめざす根本にあると説いています。
さらに、自国の歴史や文化に誇りを持てるようにするためには、教育を立て直すことが重要だと力説します。教育は学校に任せるだけでなく、なにより大切なのは家庭。また、教科書を安易にデジタル化することは、言葉や教育への尊敬がない証拠であり、デジタルの文字は私たちの脳を鍛える武器にはならない。
いま日本に必要なことは、「大人の本気」ではないか。著者が熱く語る誇り高き国を創(つく)るのは今なのです。(ポプラ社・1470円)
ポプラ社一般書編集部 伊藤剛
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