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【福島原発事故】

福島第一湾内 汚染水流出継続か 東京海洋大教授が試算

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 東京電力福島第一原発の港湾内で海水の放射性セシウムの濃度が下がりにくい状態が続いていることに関し、汚染水の海への流出が止まったとされる二〇一一年六月からの約一年四カ月間に、計約一七兆ベクレルの放射性セシウムを含む汚染水が海に流れ込んだ恐れがあるとの試算を、東京海洋大の神田穣太(じょうた)教授がまとめた。

 東電は、一一年四月に一週間で意図的に海に放出した汚染水に含まれる放射性物質の総量を、約一五〇〇億ベクレルと推計しているが、その百倍以上に当たる。

 神田教授は「現在も地下水や配管を通じて流出が続いている可能性がある。すぐに調査すべきだ」と指摘。これに対し東電は「一一年六月以降、大規模な汚染水の流出はない」とした上で「放射性物質を拡散させない対策をしているため、港湾内の濃度が下がらないのでは」と反論している。

 神田教授によると、港湾内の放射性セシウム137の濃度は、一一年六月〜一二年三月にかけて下がったが、一二年四月以降は下落傾向が鈍くなった。

 東電が発表した一一年四月のデータを基に、港湾内の海水の44%が一日で湾外と入れ替わると推定。一一年六月一日〜一二年九月三十日の放射性セシウム濃度になるには、計約一七兆一〇〇〇億ベクレルが新たに流出したことになるとした。一日当たり八一億〜九三二億ベクレルとなる。

 

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