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京都5連覇!“スーパー双子”久馬姉妹が快走 駅伝

久馬萌(右)、悠の双子姉妹はともに区間賞の快走で京都5連覇に貢献し、ガッツポーズ

◆ 第27回全国都道府県対抗女子駅伝 ◆

 双子のスーパー中学生が激走だ。層の厚さを見せつけた京都が、2時間15分39秒で88〜92年に続く史上2度目の5連覇を達成した。双子の姉、久馬悠(きゅうま・はるか、15=綾部中3年)が3区で区間賞を獲得すれば、妹・萌(もえ、15=同)は8区で区間新記録をマーク。00年シドニー五輪女子マラソン金メダルの高橋尚子(36)さんも絶賛する2人が、都大路から世界に羽ばたく。

◆ 姉・悠で2位浮上、妹・萌で独走態勢 ◆

 レース後の胴上げで間違えられたほどそっくりな2人が、揃って強烈なインパクトを残した。3区区間賞の悠が「優勝できてうれしい。前半から積極的に飛ばした」と言えば「全員が一つになって最後まで一生懸命走れたので良かった」と8区区間新記録の萌。京都を史上2度目の5連覇に導いた一卵性双生児の久馬姉妹は、そっくりな笑みを浮かべた。

 レース前、2人で「頑張ろうね」とエールを送り合って出陣した都大路。まずは悠が激走だ。トップから24秒差の4位でタスキを受け取ると、1秒差の2位に浮上。姉がVロードを切り開き、8区の妹・萌が優勝を決定づける。猛然と中継所を飛び出し、4秒差だった1位・岡山をわずか240メートルで追い抜いた。実業団選手並みの2分58秒で1キロを通過し、従来の記録を12秒も更新する9分41秒の区間新。52秒ものリードを築いて、アンカー・小島につないだ。

 ダイナミックなフォーム、前半からハイペースで突っ込む勇気には、金メダリストも絶賛の言葉を並べるしかない。00年シドニー五輪女子マラソンの覇者で、テレビ中継の解説を務めた高橋さんは「双子の選手にビックリしました。どんな選手に育つか楽しみ。すごい精神力の持ち主」と興奮を抑えきれなかった。

 悠の三千メートルの自己ベスト9分12秒89は高橋さんの生涯ベスト9分13秒00を既に上回り、萌も9分22秒29と超中学級。驚異のポテンシャルを秘めた2人は、京都の名門・立命館宇治高に進学せず、来月に公立高校を受験する。「五輪とかは考えられない」と口を揃え「インターハイを目指したい」と控えめに話した久馬姉妹が世界を知るのは、12年ロンドン五輪か東京が招致を目指す16年五輪か。スーパー双子の前には、無限の可能性が広がっている。

[ 2009年1月12日付 ]

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