8月21日の米国マーケットサマリー:株と債券下落、ドルは上昇
8月21日(ブルームバーグ):ニューヨークの為替・株式・債券・商品相場は次の通り。(表はNY午後4時現在)
為替 スポット価格 前営業日 ユーロ/ドル 1.3352 1.3417 ドル/円 97.79 97.27 ユーロ/円 130.57 130.51 株 終値 (暫定値) 前営業日比 変化率 ダウ工業株30種 14,897.55 -105.44 -.7% S&P500種 1,642.80 -9.55 -.6% ナスダック総合指数 3,599.79 -13.80 -.4% 債券 直近利回り 前営業日比 米国債2年物 .36% +.02 米国債10年物 2.89% +.07 米国債30年物 3.92% +.07 商品 (中心限月) 終値 前営業日比 変化率 COMEX金 (ドル/オンス) 1,370.10 -2.50 -.18% 原油先物 (ドル/バレル) 103.95 -1.16 -1.10%◎NY外為市場
ニューヨーク外国為替市場ではドルが上昇。午後に公表された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録で、景気が改善する限り、年内に緩和規模を縮小し始めるというバーナンキ連邦準備制度理事会(FRB)議長の計画に「幅広い支持」が集まっていることが明らかになり、ドルは上げ幅を拡大した。
7月の米中古住宅販売が2009年11月以来の高水準に増加したことは、朝方のドル買い材料となった。新興市場資産の下落を背景に、インドネシア・ルピアは4年ぶりの安値に沈み、インド・ルピーは最安値を更新した。
RBSセキュリティーズの為替ストラテジスト、ブライアン・キム氏(コネティカット州スタンフォード在勤)は電話インタビューで、議事録は「秋の金融緩和を支持する内容だ。12月よりも9月、あるいはその逆を決定づけるには不十分だと思う」と語った。
ニューヨーク時間午後2時28分現在、主要10通貨に対するドル相場を反映するブルームバーグ米ドル指数 は前日比0.6%高の1026.06。
ドルは円に対し0.6%高い1ドル=97円84銭。対ユーロでは3日ぶりに上げ、0.5%高の1ユーロ=1.3356ドル。ユーロは対円で0.1%高の1ユーロ=130円66銭。
◎米国株式市場米株式相場は下落。ダウ工業株30種平均はここ13カ月で最長の6日連続安となった。この日公表された米連邦公開市場委員会(FOMC、7月30-31日開催)の議事録によれば、景気が予想通り改善すれば年内に緩和縮小を開始するというバーナンキ連邦準備制度理事会(FRB)議長の計画が支持された。
ニューヨーク時間午後4時過ぎの暫定値では、S&P500種 株価指数は前日比0.6%安の1642.80。ダウ工業株30種 平均は0.7%下げて14897.55ドル。
ウェルズ・ファーゴ・プライベート・バンクのエリック・デービッドソン副最高投資責任者(CIO)は「金融引き締めの開始時期についてFOMC議事録が示唆するところは依然不透明だ」と指摘。「ここ何年も続けた緩和から段階的な引き締めに踏み出すのは、今後に影響する重大な瞬間になるだろう。縮小プロセスを開始できる段階にあるかを金融当局がまだ分かっていないという意味において、議事録は極めて明確だ」と述べた。
朝方から下げていたS&P500種は、米東部時間午後2時に議事録が公表された後に下げを縮め、一時上昇に転じる場面もあった。
◎米国債市場米国債市場では10年債相場が下落。米連邦準備制度理事会(FRB)が午後に公表した連邦公開市場委員会(FOMC、7月30-31日開催)の議事録で、政策当局者が債券購入のペースを減速させる計画を「おおむね支持」していることが明らかになった。
利回りは2年ぶり高水準に迫った。議事録によると、FOMC会合参加者は景気が予想通り改善された場合、債券購入のペースを年内に減速させるというバーナンキ議長の計画を支持した一方で、2、3人は「近いうち」に縮小開始が必要になる可能性を指摘した。朝方は中古住宅統計に反応して利回りが上昇した。7月の中古住宅販売は前月比で増加し、2009年11月以来の高水準となった。
イーグル・アセット・マネジメントの債券運用担当マネジングディレクター、ジェームズ・キャンプ氏は「市場は引き続き緩和策の縮小を見込んでいるようだ」と述べ、「米金融当局は量的緩和からの脱却を望んでいる。短期的に10年債利回りが3%に上昇する可能性もあるだろう」と続けた。
ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間午後2時24分現在、10年債利回り は前日比6ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.87%
◎NY金先物市場ニューヨーク金先物相場は下落。米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録(7月30-31日分)では、バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長が示した緩和縮小への道筋に幅広い支持が得られたことが示された。
議事録によれば、会合のほぼ全参加者は景気が予想通り改善された場合、債券購入のペースを年内に減速させるというバーナンキ議長の計画を「おおむね支持」していることが分かった。一方で2、3人は「近いうち」に縮小開始が必要になる可能性を指摘した。
TDセキュリティーズの商品戦略責任者、バート・メレク氏は電話インタビューで、「当局者らはバーナンキ議長が考える然るべき道筋に同調しているようだ」と指摘。「現時点では、金に新たな買いが入ることはあまりないだろう」と述べた。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物12月限は午後3時13分現在の電子取引で、0.1%安の1オンス=1370.80ドル。通常取引は前日比0.2%安の1オンス=1370.10ドルで終了していた。
◎NY原油先物ニューヨーク原油先物相場は続落。米金融当局が9月に緩和縮小に踏み切るとの観測が強まるなか、2カ月ぶりの大幅安となった。
21日に公表される7月の連邦公開市場委員会(FOMC)議事録に、月間850億ドルの債券購入プログラムを縮小する時期について、討議の様子が記されるとして注目が集まっている。
トラディション・エナジー(コネティカット州スタンフォード)のアナリスト兼ブローカー、ジーン・マクギリアン氏は「市場には何ら先行きを示すモメンタムが見られない。緩和縮小の観測が上値を抑えている」と指摘。「限月交代に伴うポジション調整も相場下落につながったようだ」と続けた。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物9月限は前日比2.14ドル(2.00%)安の1バレル=104.96ドルで終了。6月20日以来の大幅安。9月限はこの日が最終取引。事実上の中心限月である10月限は1.75ドル(1.6%)下げて1バレル=105.11ドル。
更新日時: 2013/08/22 05:42 JST