簡単借入学
個人・企業を問わずお金を借りることは極めて普通のこととなりました。
私が幼き頃、個人がローンで破産する米国映画を観て、驚いたものです。
やがて日本でも「サラ金地獄」と騒がれる時代がきました。
今やメガバンク金融機関も相次ぎ参入し、個人・企業を問わず、お手軽に借れる状況となっています。
この頁は金融機関の歴史や借入金に対する考え方の推移、資金不足対応に対する考え方等を書かせていただきました。
お手軽に借れるのなら、お手軽に返せるのでしょうか?/これじゃぁ麻薬の売人/借りたものは返す/多重債務の話/元の生活に戻れる/銀行の役割とプライド/かなぐり捨てたプライド/神憑りの泡踊り(バブル崩壊)/銀行の退場/企業のダイエット/倒産防止保証/産業構造の変化/雇用優先とリスケ/不況は終わった/借金とローンの違い/銀行と企業の関係/銀行商売の難しさ/企業選別/借入により可能になったこと/借り易く、返し難し/話せば解る/
個人の住宅ローンの場合を考えてみましょう/まずは自助努力 銀行は収益追求団体/では どうすればいいか?/借入金の話に拘るわけ/万一の対応を誤らないために/ローンが返せなくなったとき/
資産を有効に処分しよう/住み続けられる条件/家賃でローンを返済/チャンス到来?/ぼろも、値段によりけり/ものの値段/「彼を知り己を知る」/プロとの対決(交渉)/
倒産しろと言うことか?/企業は生きもの/借入依存の意識改革が企業生命を延ばす/原因の究明/B/S P/Lが解れば経営が変わる/経営を変えるために/ピンハネを防ぐために/時価会計/一億総借金漬け戦略(創られた信用経済)/借金体質の創造、開拓/どっぷり浸かった借金体質/
お手軽に借れるのなら、お手軽に返せるのでしょうか?
最近は、金融機関から譲渡されたサービサーやが金融機関に代位弁済した保証協会が返済交渉相手に代わってきていますね。
これじゃぁ麻薬の売人
そう叫びたい衝動に駆り立てられることが少なくありません。
決算書をみれば数字の解る方なら返済余力を遙かに超え行き詰まることが誰の眼で診ても明白であるのに「借りてくれ」、「借りてくれ」の連呼。
金融機関にとっての貸出は売上ですから当然のことでしょうが挙げ句の果ては、決算書の粉飾あるいは予想の嵩上げまでを要求する。
・これ以上借りても無理だと思ったが、数字分析のプロの金融機関が「大丈夫だ。いけますよ。」というものだから、そんなものなのかと借りてしまった。
・「同じ建てるなら10年後を見据えて」最初は、プレハブででもと思っていたがあまりにもお薦め頂けるものだから、売上も回復してくるのかとつい、この様なビルを建ててしまった。
この階も、ここも全く利用していないのですよ。」
・「保証協会の保証が取れなくとも保証会社の保証が取れますから大丈夫です。」
誰が考えても長く持つ状態でないのに、こう言って資金を貸し付ける。
ババを引くのは保証協会だから、保証会社だから、他行だからそんな安易な気持で更に借金漬けにしていくあなた方は、取引先企業のことを考えているのですか?
売り込めば其れで良いのですか?
ノルマを達成すれば其れで良いのですか?
中小企業経営者の多くは、まだ金融機関を信頼の置ける業種だと思っている。
金融機関の方の言葉は、会社を思ってくれた上でのことだと信じているのです。
金融機関は経営を導いてくれるものだとさえ思っている。
「支店長さんがおっしゃるのだから間違いないだろう。」
薬漬けにされて神風が吹かなくては浮かぶことはおろか着実に蝕まれているのに、射さない光を追い求め死期を早める。
「貸出をするのが我々金融機関の仕事です。借り手の立場になって考えていては仕事になりません。貸せそうにないところでも、保証をつけて貸し込んでいく。其れが我々の手腕を問われるところであり、仕事です。」
そのように応えられるでしょうね。
この頁では「貸し手責任」、「借り手責任」を論じるつもりではありませんが、貸し手にしても、借り手にしても、借入金には返済を伴います。返済のみ成らず、利払いも発生します。
貸し手は、決算書等を取得して分析されるのですからその分析に相応しい節度有る売り込みを行って頂きたいのです。
借り手は、過去の金融機関が築いたステータスからの修正を未だ充分に行えていない経営者が少なくはないのです。
企業経営者も、今の金融機関の実態を早く知り貴社を救えるのは金融機関ではなく貴方自身であることを、借入金ではなく、会社の活性化であることを気付く必要があります。
勿論、充分承知ながら返済能力を遙かに超え、返済のための資金繰りに奔走され、銀行の融資話程ありがたい話しはないと思われているのでしょうが、このまま繰り返して行くことが必要なのでしょうか?
其れが最上策なのでしょうか?
着実に増えていく借入金残高と、月額返済額、利息それに、長期前払あるいは繰延資産として計上され毎年償却されているために感覚の薄い保証料負担。
今一度考えて下さい。
借入のみが最上の延命策でしょうか?それのみしかないのでしょうか?
弊社は「借入の支援」・返済期限見直支援(リ・スケジュール)も、業務としていますが、採算性回復見込み無きまま借り増しを続けることには賛成をしかねます。
弊社はリ・スケジュール支援をさせていただくにしても、
単なるリ・スケジュールのみは、
経営者が再建・企業活性に取り組もうとされない企業のリ・スケジュールは、
資金繰りの大幅な改善には成りますが、あまりお薦めはできません。
借入金の話をするに当たって、これだけは申し上げておきたいと弊社の、借入金に対する考えを少し固く申し上げましたが、借金漬けになる前に、借入に対する考え方を見直す一助になればと「借入金」を主題に、少し柔らかめに話をさせて頂きます。
なお、リ・スケジュールにつきましてはこちらをご覧下さい。
▲UP借りたものは返す
「もうたもん(貰ったもの)は、あが(自分の)もん。借りたもんは、人のもん。」
「こうた(買った)もんは、あがもん。ひろた(拾った)もんは人のもん。」
これは、幼き頃、唄のように母から教えられたことです。
所有権を幼い私に教え込みたかったのでしょうね。
記憶は全く残っていませんが、拾ったものを、自分のものだと駄々をこねたか、あるいは借りた物を返さないと駄々をこねたのではないかと思います。
借りたものは人のものです。
他人から、もの(お金を含む)を借りて、返したくない、返さないは一般的には通用しないのです。
「もうたもんはあがもん。借りたもんは人のもん。」なのです。
例え、何年かかろうと返す。その気持ちが必要だと思うのです。
ただ、返そうと思っても返せない場合がありますね。
それは仕方がない事なのでしょうか?
返せなければ返さなくて当たり前なのでしょうか?
多重債務の話
私が会社勤務時代、多重債務に陥った同僚の問題をいくつか担当しました。新婚・共働きで、「頭金不要・全額ローン購入」の業者のうたい文句に乗って住居を購入した迄は良かったのですが数年後に夫は職を失い、やがて離婚。
と言うような、判断に甘さはあったとは言え、同情すべき件も有りましたが・・・、
「毎日スナックで飲食」、「ギャンブルに狂い」、「エステのローン返済に」
そうそう「夜王」じゃないですが、「ホストクラブ通い」なんて言うのもありましたね。
唯一「エステ事件」については、私の「女は解らん。そんなにまでして綺麗になりたいのかなぁ」の発言に「若い女性が美しくなりたい心情は解る」と我が妻も娘も理解を示しましたが・・・(大丈夫かいなぁ・・家の娘も・・)
それは全く解らない訳じゃないですが程度の問題でしょう・・・・?
「これだけ借りるとは、借金上手だね」といいますと「ビル(サラ金入居ビル)の上から下まで降りたら、○百万円位は簡単に借りられますよ」と、平然と「お気軽に借り入れ」の実態を説明してくれる社員もいます。
お気軽に借りてもお気軽に返済すれば何も問題はないのですが、お気軽に借りる人に限って返済意志は希薄のように思われます。
多重債務に陥った同僚はいずれも正社員でしたから、月々の収入は一定しています。
借り過ぎさえしなければ、返済計画もそう難しくはないと思いますし、ホストクラブで一晩に高級酒を何本も飲める所得かどうかの判断もつくはずです。
「破産清算価値」等を提示したりして、借金の減免のお願いをしたり、一括弁済のためにサラ金ビルに何度足を運んでも、サラ金ビルに入るときは人目を気にしてしまいました。
手続きをしている間に、出入りされる方々をちらちら見たら、極普通の紳士、淑女が平然と入出金手続きをされていて、利用の高さを感じずには居られませんでした。
▲UP元の生活に戻れる
自身にみならず、子供(同僚)の名前でも多重債務を重ね行き詰まった親から、「親・子とも自己破産せねばなりません」との話を受けたのです。親は既に定年で時々バイトをされているとのことでした。
子供を破産させるわけにはいかないと、会社に特別温情措置をお願いし、サラ金、信販、銀行と減額交渉を行い自己破産回避をしました。
親の方は、前回多重債務時にお世話になったという親の知り合いの弁護士さんが自己破産手続きをとりました。
その数ヶ月後、親から電話が入りました。
「お世話になりました。免責決定が出ました。またこれで元の生活に戻れます。」
「良かったですね。頑張って下さい。」そう言って電話を切ったのですが、
また元の生活に戻れる? ・・・ 背筋の凍る思いがしました。
子供は少し薄弱の方でしたので子供名義での借り入れができないようにと、個人情報センターに登録をさせる予防措置はとりましたが・・・
その後、毎年親から年賀状を頂きます。
年賀状が来る間は再犯していないのだろうと思うことにしています。
個人・企業を問わず、低利・高利にかかわらず、借入時は一時的に資金を増やしますが、以後、利息+返済金が資金を減じていきます。
借入は貸手がどのように勧誘しようが、必要最低限に抑えていくことが肝要です。
▲UP銀行の役割とプライド
1970年当時の銀行は一企業と言うよりも、半ば公的機関のような存在でした。
銀行は、成長途上の資金ハングリー企業に資金を供給する役割を担っていました。
銀行マンは、「我々が経済育成の役目を担っている」「日本経済を引っ張っている」とのプライドを持っていましたし、「護送船団方式」で序列が決まっていますから、過当競争に走る必要性もなく、船団内でドングリの背比べ競争をしながら、需要旺盛な企業に資金を供給していれば良かったのです。
かなぐり捨てたプライド
経済発展、企業成長と共に企業は資金を豊富に蓄え、あるいは銀行以外からの直接調達に走り、次第に銀行への依存を薄めていったのです。
子供が親離れを加速していったのですね。
ドングリの背比べをしているうちに、銀行自身が国際水準的には見劣りする状態に陥っていました。
競争による成長を求められた銀行は、慌てふためき、プライドをかなぐり捨て、資金需要の開拓に躍起となりました。
「山をゴルフ場に」、「相続税対策に土地を収益ビルに」、「地方はリゾートとして開発を」「今の株価は安すぎる。株はぐんぐん上がりますよ」と煽り、資金をばらまいていきました。
外交員の鞄には、ゴルフ場、土地、テナントビルのパンフ、株情報を詰め込ませ、さらには、「特金」だの「ファントラ」だのと企業・個人を問わず「財テク」を押しつけて廻りました。
彼らの口癖は「今や財務部門が儲ける時代です」「財テクの時代です」。
もはや、彼らには「企業育成」だの「日本を引っ張る」だのプライドなど微塵もなく、不動産屋であり、デベロッパーであり、株屋に徹していったのです。
都市銀行で借り、信用金庫で大口定期預金をして逆ざやを狙うなんて事は、日常茶飯事になりました。
バブルへの突入です。
▲UP神憑りの泡踊り(バブル崩壊)
まんまと、銀行の策に填った企業・個人を問わず、銀行の仕掛けた餌を競って平らげ、本業よりも泡踊りをと狂騒したのです。
止まることを知らない地価高騰に警鐘を鳴らす人もいましたが、「不動産の下落は過去に無い」と土地神話が、警鐘を蹴散らし、とうとう「東京23区の総価格で、アメリカ全土が購入できる」と言われるまでに至りました。
銀行の目論見通り、企業も個人も投資熱と借金漬けに陥ったのです。
ところが、異常な状況はいつまでも続くはずがありません。泡踊りも4年余りで終焉を迎えてしまったのです。
泡踊が終わってみれば「含み損」という脂肪をタップリ含んだ水膨れの資産と、多額の借金を残してしまったのです。
多くの肥満体企業は、心不全に陥り、退場(倒産)を余儀なくされていきました。
バブルの崩壊です。
食べさせた銀行が悪いのか?食べた企業・個人が悪いのか?「特金」の損失補填問題等が国会で追及されました。
銀行の退場
企業引戻作戦の成功迄は良かったのですが、終焉後の相次ぐ企業の退場(倒産)、重体状態は、銀行の予想をはるかに上回ってしまいました。
資金回収もままならぬ状況となってしまい、再編を余儀なくされていったのです。
企業のダイエット
企業は生き残りをかけ自らの血を流し、徐々に脂肪を出し、ひたすらダイエットに励みました。
倒産防止保証
相次ぐ企業の退場に慌てた国は、企業の延命策として保証協会の特別保証枠を設けました。
銀行は自らの回収がままならない資金を保証協会保証にすり替えようと、企業の書類作成代行まで行い、銀行員が保証協会に持ち込んだのです。
保証協会の受付は、書類を持った銀行員で埋まりました。
産業構造の変化
製造企業が泡踊りに狂騒しているうちに、価格的国際競争力を失い、製造業は安価な労働力を求めて製造拠点を海外に移転せざるを得なくなってしまいました。
製造の空洞化を迎えたのです。
銀行は、不良債権の増加を押さえるために、批判を浴びながらも不振先に対する「貸し剥がし」「貸し渋り」を強引に押し進めました。
雇用優先とリスケ
退場、ダイエット、製造の空洞化が巷に失業者を溢れさせてしまいました。
国は雇用優先を重点政策とし、銀行も企業倒産による回収不能債権化を防ぐために返済期限の猶予や見直し(リスケジュール)等の要求をのまざるを得なくなりました。
さらに銀行の不良債権処理を促進させるために「サービサー制度」が認められました。また借金漬け、返済苦に喘ぐ企業はキャッシュフロー改善手法として、リスケジュール等の選択も可能となったのです。
リ・スケジュールにつきましてはこちらをご覧下さい。
▲UP不況は終わった
銀行は、不振企業の回復等により、債権分類見直し等も可能となり、引当金の取り崩しを実施した結果大幅な収益を計上し、メガバンクらは「不良債権処理は終わった」と言っています。
引当金の積み増し余裕ができた銀行は、今後債権区分の見直しを計り、収益が上がっている企業でも回収が長期にわたる債権等の回収促進、あるいは処理を進めていくものと思われます。
「企業業績が回復され、雇用状況も改善された」と、国を挙げて不況終結の大合唱が始まりました。 「雇用優先、倒産防止等、不振企業救済策の必要性は薄れた」との印象を強めると言うことです。
さて、貴社の業績は、キャッシュフローは改善されましたか?
改善されていないようであれば攻勢を受ける前に対処すべきです。
自己診断された結果、貴社は、長期的回収債権先には入りませんか?
用意させて頂いた「簡易自己診断シート」は、全くの簡易的ですので、目安程度に考えて下さい。まだの方は「簡易自己診断シート」を当ホームページに用意させて頂いていますので、一度お試し下さい。
ある日突然、「書き換えには応じられません。」そのような宣告を受ける前に「転ばぬ先の杖」です。
対処方法を準備しておく必要性があります。
「先んずれば制す」です。
攻撃を受ける前に攻勢に出る事も必要です。
借金とローンの違い
「借りたものは返す」の項でもお話ししましたが、個人、法人を問わず「借りたものは返すのは当然の事」です。
もう20年以上前になるでしょうか?
新入社員に「欲しいものを、貯めてから購入するか?借りて購入するか?」から始まるアンケート調査をしたことがあります。
貯めてから借りる派
借金をする 利息を取られる 借金は利息を取られるから損
借入派
ローンを利用する 利用手数料を払う 欲しいときに得るのであるから利用手数料支払は当然
に別れ、人数は約半々だったように記憶しています。
借入を借金と答える人は利息は「取られる」であり、借金に対しては暗いイメージを持っています。一方、ローンと答える方は「利息支払」でなく、「利用手数料支払」感覚の明るいイメージを持っているのに驚いたものです。
借金のCF 「借金のお借入は、計画的に」
ローンのCF 「ローンのご利用は、計画的に」
どうです?イメージがかなり違いますね。
イメージの明暗にかかわらず、それが利息であろうが利用手数料であろうが元本以外に支払わなければならないのは同じです。
銀行と企業の関係
銀行は企業に貸してやってるのか、借りてもらってるのか
企業の資金需要の旺盛であった1970年代とは異なり、銀行が貸付ノルマを消化せんが為に企業に頭を下げ「借りて貰っている」ケースも少なくはありません。勿論、引き受けて貰うには金利等のダンピングをさせられますので、銀行側とすれば、企業から「貸してくれ」と頭を下げて来てもらうのが一番なのですが、需要と供給ですから、ダンピングも止む得ません。この点は、一般の企業と全く変わりないと思います。
▲UP銀行商売の難しさ
一般企業は「当社の商品はこの点が、他社にない特徴です。」と差別化を強調することもできますが、銀行の商品は、主に「金(かね)」であり、銀行間の競争は最終的には金利と期間の勝負になってしまいます。
従って、日頃から「他行よりも強い繋がりがある」と企業に思いこませる努力を怠りません。
「他行より繋がりが深いのだから」と例え若干金利が高くとも借りて欲しいと。
「じゃぁ 借りてくれと言われれば借りるべきか?」銀行は大切な一取引先です。
仕入先に無理言われ時には「少し多めだけど前倒しで買って置いてやるか」と協力するときも有りますね。 それが、何ヶ月も先にしか売れない商品であれば、在庫負担となり、キャッシュフローに影響が出てきますので、そのような協力は余程の理由がない限り断りますね。
借りてくれと言われても、資金需要が何ヶ月も先なら、要らぬ利息負担になりますので、当然断るべきです。
利息負担が重くて収益を圧迫しても、銀行は収益補填はしてくれません。
それどころか「収益を落としたから」と貴社の評価を下げてしまう可能性があります。
「借りろと言って借りたお陰で支払利息が増え、収益落としたのだから」は通用はしません。ただ、一ヶ月後に資金需要があるならば、借りてくれと言うときに条件闘争に持ち込み恩を売り、好条件を引き出すのも一石二鳥かも知れませんね。
銀行を特別視する必要はありませんが、大事な取引先であることは間違い有りません。良い取引関係維持に努めるのは当然のことですが、借り手企業の一方的な負担により保つ必要があるのかどうかは企業の資金需要と収益性と交渉テクニックによります。
▲UP企業選別
銀行は一般企業と同じく無理の聞いてもらえる「安全な得意先」を多く得たいのです。
ところが、一般企業の売上金の回収は、普通の物品なら手形期間を含めても半年くらいで回収できますが、 銀行は、回収に3年・5年、ときには7年、10年とかかるのですから、一般企業以上に借りてもらえる先を選ばざるを得ません。従って、「銀行から借りてくれと言われたことがない」のなら銀行から「積極的に資金を売り込む先」とは見なされていないのでしょう。
「借りてくれ借りてくれ」と言われているうちが華なのかもしれません
借入により可能になったこと
住宅の購入時、殆どの方は住宅ローンを借りますね。
もし住宅ローンが無ければ、これほど持ち家率が高くなったでしょうか?
若い方は就職1.2年で車を購入されますね。
もし、自動車ローンが普及されていなければ、それほど早く車を購入できる方はどれほどいるでしょうか?
機械を導入して増産を図りたいと思っても、購入資金の全てを蓄財から支出しなければならないとなると折角の増産時期を失ってしまいますね。
もし、銀行業務が預金機能と為替機能のみで、貸出業務がなければ、産業・経済がこれほど発展できたでしょうか?
銀行の貸出しは、個人・企業の「機会」を逃さず、欲しいときに、比較的容易く手に入れることを可能にして、産業、経済、物の豊かさを可能にしてきましたね。
▲UP借り易く、返し難し
誰も、返せなくなると思って借りるわけではないです。
返せるだろうと思って、返せると確信して借りるのです。
ところが、時には怪我、失職等で、収入が減ったり、支出が増えすぎてしまったりで予定が狂ってしまうことがあります。
売上不振・得意先倒産などで、キャッシュフローが狂い、返済金捻出に窮する場合が発生します。そうなったときどうすべきか。
直ちに収入減の回復を図る。あるいは支出を抑える。それが簡単にできるなら何も困ることはないですが、それが簡単にできないから困るのです。
元利金の返済を怠り、そのままにすれば当然「督促」連絡が来ます。
それをそのままに放置すれば、督促が「内容証明郵便」で送られてきます。
内容証明の文面は徐々に厳しさを増し、「競売」等法的手続きに移る等の警告文となってきます。「競売されたらどうしよう・・・住むところを失ってしまう。」と段々と精神的に追い込まれていきます。
話せば解る
貴方が貸し手である場合は返済を受けられなくなったら当然返済を要求し、回収の手を尽くしますね。当然、貸し手である銀行もそうしているのです。
「返済分を他から借りてでも、返済して欲しい」銀行はそうさえ言います。
他から借りて返済しますか?
個人の住宅ローンの場合を考えてみましょう
少なくとも住宅ローンは住宅が担保として入っていますし、超長期ですので、金利も比較的優遇されている上一回当たりの返済額も少額です。
親兄弟等知人から借りる場合を除き、新たな借入は、無担保であり、貸し手としてもリスクも高いですから利率も、返済額も住宅ローンより高いのが一般的です。
当然連帯保証人も要求されるかも知れません。
その返済はどのようにするのですか?
返済のための借入は短期間に収入が回復する等の特種な場合を除き、すべきではないと思います。
収入減の状態が短期間に解消される見込みあるか、支出増の状態がいつまで続くか、それに対してどのようにしていこうとするのか、どれくらいまでは可能かを考え、貸し手が、態度を硬化させる前に状況を説明し、話し合うべきだと思います。
貸し手も焦げ付くよりも、どの線までは待てるかを検討し、提示するはずです。
それがとても履行できない条件なら座して貸手の「競売」等を待つのではなく、手段を講じるべきですが、遅滞理由が借手にありながら、だんまり放置は、自らを追いつめることになりますし、その時点で返さなくて良い方法、対抗対策の検討をする段階ではないと思います。
借りた物は返す。 話せば解ります。
▲UPまずは自助努力 銀行は収益追求団体
企業の場合を考えてみましょう
担保が充分あり、また一過性のものであれば、銀行も応じてくれるでしょう。
しかし、得意先の倒産は、倒産時に被った損失だけでは収まらずり今後その得意先に売っていた売上げが落ち、その得意先から得ていた利益が失われます。
売上減、入金減、収益減となっても、返済のための借入金に対する利払額が加わって、益々資金不足に拍車がかかってきます。
そのような事態に陥れば、銀行は担保余力の有無にかかわらず業績に懸念を抱き、これまで「うちはメインですから」と親密ぶりを強調していても態度が豹変してしまいます。
その豹変ぶりに、貴方は怒り、銀行を恨むのです。
もし貴方が「貸し手」なら、そのような状態に陥った回収懸念ある会社に貸し増しを続けますか?
答えはNOですね。
仮に貸し増すとしても確たる保証人を要求したり、少しでも回収懸念を弱める努力をした上でと言うことになりますね。
当然のことです。銀行は、慈善事業団体でなく、貴社と同じ一営利企業に過ぎません。
頼る気をもてば必ず裏切られます。
頼る気持ちを持つこと自体が、甘いのです。
では どうすればいいか?
借り増しを考える前に、まず自助努力による補填を考えるのです。
資産の中に換金できるものはありませんか? 例えば、積み立てている生命保険、従来から持ってる株券、あるいは他に貸している貸し金、利用価値の少ない土地、回収の遅れている売掛金そのようなものをできる限り換金するのです。
換金を進めると共に、売上げをカバーする方法、減収・減益でも採算の合う体制つくりを行うと共に、在庫抑制等、キャッシュアウトの抑制に努める必要があります。
そのような企業努力が、銀行に安心感を与えることになります。
繰り返しますが「銀行は貴社の親会社でも、貴社の保護団体でもありません。」銀行を過信すれば銀行は必ず貴社の期待を裏切ります。
借り増しは、資金に一時的な余裕を産みますが、キャッシュアウトを増やす結果となり、体力を弱めていきます。
借入金の話に拘るわけ
当社の業務に借入支援・銀行折衝支援を含むからでもありますが、最大の理由は、企業・個人を問わず過去に比べ資産は増えているものの、負債、特に借入金が増えているのに案外無関心で、いざというとき取るべき対策が解らずに銀行のなすがまま処理されたり、失わなくて済む資産を失う事が少なくないからです。
企業・個人とも30年40年前と比べ随分とお手軽に借入をすることができます。
お陰で、設備投資も、持ち家も、マイカーも、お手軽に手にはいるようになりました。同時に借金を簡単に背負い込み、返済の義務も生じますね。
借金(ローン)が、企業に・個人に、日常生活に容易に入り込んでくるのに借り手の知識があまりにも不足し、その結果、万一時の対応を誤っているのではないでしょうか?
そのように思えてならないのです。
現在ローンを抱えている方、今後、ローンを組むかも知れない方に頭の片隅にでも最低の知識を持っていていただきたいと思うのです。
▲UP万一の対応を誤らないために
頭金無しでも、マイホームであれ、車であれ手に入る時代です。
個人の場合は、ローンを借りても、順調に滞りなく返済が進めば、完済まで借りた銀行と接触することはほぼありません。
完済すれば抵当権の抹消書類が送られてきて、抵当権を抹消すればそれで終わりです。
20年・30年・35年の間には、何が起きるかわりません。
大袈裟に考えますと
「転職の結果、賞与が出なくて、賞与返済分が返済できない」
なんて事は誰にでも発生しうることです。
不幸にもその何かによって返済が困難になったときにどうすべきでしょうか?
交渉は、相手のあることであり、状況が個々異なりますので、全てが当てはまるとは言えません。その点を理解の上、読んで下さい。
ローンが返せなくなったとき
「借りたものは返す」のが当然のことですが、返せなくなったときどうするか?
「返済のための借入をするのでなく、まず計画を立て交渉をしろ。話せば解る。」と申し上げましたね。
交渉に必用なことは、状況(残債額・月返済可能額・その他)によって、それぞれ異なります。賞与返済分を、月額に組み入れるような比較的簡単なものから、全く返済不能に陥った場合まで状況が様々です。
半額位なら返済できるが、後10年残っているのを20年に期限延長をお願いしたところ駄目だと言われた。そのような状況に陥った場合は競売されてしまってマイホームを失うのでしょうか?
▲UP資産を有効に処分しよう
競売されても、残債以下で落札されればマイホームを失うばかりでなく残債が残る結果となります。
そのような事態が発生すればマイホームを失って良い場合と、マイホームに住み続けたい場合とで異なります。
失って良い場合は、資産(マイホーム)をできるだけ高く処分をすることに努めることです。
競売の場合は、価値の7掛位が相場です。普通に売れば2千万円のところ1千4百万円以下になってしまうと言うことです。だとすれば、競売される前に、銀行と話し合い、任意売却を進め、できるだけ高く処分することです。
銀行も競売手続きを要しませんし、競売より多く回収できるわけですから、同意するはずです。
高く売れば売る程、貴方の物件処分後の借入残債務が減ると言うことです。
「じゃぁ 住み続けたい場合はどうすればいいのか?そんなことができるのか」
住み続けられる条件
どのような条件なら住み続けることができるかを考えましょう。
購入者が親、兄弟、子供、友人等であればできますね。
この場合も、銀行に任意売買の承諾を得る必要があります。
「なんだ、そんなことくらいは解るが、そんな金を持っている奴なんて居ない。」そんな金は必用有りませんね。頭金さえ用意できればいいじゃないですか。
▲UP家賃でローンを返済
購入者は住宅ローンを組めばいいじゃないですか。
住宅を購入するのですから、特種な条件でなければ住宅ローンを組めるでしょう。
「その住宅ローンの返済はどうするのだ?」
貴方はその方から住居を借りるわけですから、家賃を支払わないといけないですね。
競売で有れ、任意売却で有れ、自宅を失ってどこかを借りなければいけない訳だすから当然家賃の支払いが発生します。
しかも購入者は住宅ローンを新たに借りるわけですから、長期ローンとなります。
と言うことは地価が上昇しているとか物件価格が上昇してない限り、月額返済額が現在の返済額より少なくなると言うことですね。
貴方の家賃で、購入者はローン返済ができると言うことです。
任意売買の時機を逸している場合は、これらの方に競売で落札して貰うのです。
競売の場合でも、住宅ローンの根回しをして居ればいいのですから。その場合の方が、購入価格が低くて良いと言う利点がありますね。前述の知古が落札する場合に限りますが。全く見知らぬ人が落札する場合は、申し上げたように落札価格が高い方が好ましい事は明白です。貴方の残債務に影響しますから。
チャンス到来?
銀行の事情によりますが、貴方への貸し付けは既に担保が無くなってしまったので、「焦げつき債権」として保証会社保証を入れている場合は、保証会社に移したり、保証会社が残債務を返済し(「代位弁済」いわゆる「肩代わり」です、保証会社の貴方に対する債権を求償権と言います)が発生します。サービサーに残債務を売却したりして銀行の手を離れます。
「これまでは交渉相手は銀行だったのに・・
保証会社だの、サービサーだのって、取り立てが銀行よりも厳しくなるのじゃないのか?恐い人が来たりして・・」交渉相手が代わるだけです。
しかもそれがサービサーであれば貴方のチャンスでもあるのです。
ぼろも、値段によりけり
新しい債権者に代わった通知とともに、返済について話し合いたいと連絡が来るでしょう。それで話し合えばいいのです。
「その時は、銀行より厳しい条件が突きつけられるのじゃないのか?」
突きつけられようがそこは話し合いです。貴方の返せる範囲で決めればいいのです。
貴方は、焦げつき債権・不良債権を進んで買いますか?
サービサーも営利企業です。貴方への債権をそのままの金額で買ったりはしませんね。
貴方が思うように、少しでも回収できれば収益になる金額で譲り受けているのです。
ものの値段
お解りですね。交渉の余地は充分にあります。余地と言うより、交渉すべきことなのです。ものの値段はどのようにして決まるのでしょう?
担保が無くなった後の「貴方に対する債権」は、保全されていない「無担保債権」です。しかも貴方は従来のローンの支払ができない状況に陥った、回収に大いに懸念のある「ぼろ債権」です。銀行がサービサー等に手放した値段は「ぼろ並み」です。
勿論譲り受けた彼らは、「ぼろを金ぴかに」しようと、貴方に満額返済せよと迫るでしょうが。
売値を決めるとき、当然原価を考えますね。
原価に適正利潤を乗せて最終的な売値、最低仕切価格を決めますね。
売却するときは、当然回収条件も考慮する。
一般的には回収が早くて安全なら、値引きもする。
彼らも営利企業だと言いましたね。全く同じ考え方です。
必ず満額回収できるものだとは思っていません。
彼らは貴方の「ぼろ債権」に利潤が乗せられれば充分に儲かるわけです。
例えば、120万円の定価でも、120万円ではなかなか売れない。120万円で買っても良いけど、月一万円しか支払えないという。月一万円しか支払えない根拠も示され、完全回収までは長期間を要する上、いつ返済が滞らないとも限らない。
▲UP
仮に仕入値が10万円だとすれば、そのような状態でも定価販売に拘りますか?
1年間返してもらってもその時点で破産でもされてしまったら、粗利が2万円に過ぎない。30万円なら他から借りて一括で支払うという。算盤勘定を弾きますね。30万円で売っても20万円は、直ちに安全に儲かるわけですから。
但し、仕入値はどうであれ彼らは残債務全額を回収する権利を得ていることを忘れてはいけません。
「彼を知り己を知る」
普通の商売と同じです。商品名は貴方にすれば「貴方の債務」です。交渉は「彼を知り己を知る」事が、勝利への方程式です。
彼らは、そのような交渉を仕事としているわけですからいわゆる交渉のプロです。
プロと交渉するには、プロと闘うには、相応の準備をしなくてはとてもじゃないけど太刀打ちはできませんね。
プロは時に訳のわからない専門用語を使ったり、「ぼろ」を「金ぴか」にするために、あれこれと言うでしょうね。
貴方は借入金を踏み倒そうとして返済しなかったのではなく、返済したくともそれができずにこの事態を迎えたのです。
その上、今後は今まで不要だった家賃までを支払わなければならないのです。
プロとの対決(交渉)
彼らと交渉するために、自身の今後の「資金計画」を用意しておくのです。
収入がこうで支出がこうだから、毎月少しでも返したいのだけど殆ど返せそうにない。しかも今後の見通しも非常に暗く、さらに悪化(収入の減あるいは支出の増)も予想される。
親戚等からの借金もあり、このままでは自己破産も考えざるを得ないが、破産しても資産は無い(破産清算配当皆無)状況を口頭のみならず、数値的に説明できるように準備をしておくのです。
貴方の窮状を充分に説明できる資料を作成するのです。
全くのデタラメでは、プロを騙せませんが、ある程度の誇張は交渉上必要かも知れませんね。
最初から手の内と目的を見せるのではなく、まず相手の出方を充分に観察しましょう。
彼らが貴方に状況説明を求めたときに準備に基づき困難な状況を説明するのです。
彼らが提示する月額返済額が、貴方試算の可能額を上回るようであれば、「破産するしかない」とがんと拒否するのです。兎に角月額返済を抑えることが最も必要なことです。
それが後に呈示されるかも知れない「一括返済額」の伏線とも成ってきます。
表面的には、「一生かかろうとも返済の意志はある」旨、表明しておきましょう。
もし、貴方の破産配当が、彼らにとって高額回収となりそうでない限り、彼らは譲歩せざるを得ないでしょう。
彼らが「他から借りて、これくらい一括返済なら他は放棄する」等の一括額呈示を出してくれば、しかもその額が自身が予想した額よりも低くとも、即答は避け、「親戚にでもあたってみるので、検討期間を頂きたい」と持ち帰り、時間をおいて、彼らの提示額よりやや値引き金額で、「これくらいなら何とか借りられそうだが」と逆提案を行い、相手の出方を試すのも良いでしょう。
一括呈示無くて月額分割で話が付いた場合、その金額の返済を1年なり2年なり続ければ、それも滞りがちとかであれば、一括提案が出ることもありえますので、その時点で上記のように交渉していけば良いですね。
サービサーとの交渉につきましてはこちらをご覧下さい。
▲UP
倒産しろと言うことか?
企業の場合もケースバイケースですが、基本的には「借りて返す」方法はお薦めできません。
一概に、資金不足、返せなくなったと言っても、商いの拡大途上のもの、季節的なもの一過性のもの、業績不振的なもの、内部要因、外部要因と様々です。
- 予定していた資金が、納期ずれ等で回収が延びた様な状況での資金不足
- 受注が増え、仕入が増加した為に、納品、回収までの間のタイムラグによる資金不足
- 得意先倒産により、予定していた資金が入らず、資金不足となった
- 経常的な赤字続きで、じわじわと資金が不足していった
- 銀行から借入予定が、断られた
- その他
その要因によって、一時的に「借りて返す」方法も一概には否定しません。
否定どころか、1、2、等は、借りて返すべきでしょうし、この種の資金は、銀行の融資も実行しやすいでしょう。3のケースでも、他で直ぐこれをカバーできるのであれば、借りて返すことをお薦めします。
ところが、3のケースでも、倒産先に対する売上げが多かったり、その穴を埋められないのであれば、借入を検討する前に、すべき事があります。
4、5の場合は、安易に借入をすべきではないと思います。借入を考える前に、すべき事をしてから、借入をすべきかどうかを判断すべきだと思います。
企業は生きもの
倒産を望んで倒産する企業はありません。
殆どの経営者は、企業を維持・継続・発展のために、日夜奔走し、闘っているのです。
ところが、企業経営は、企業自体に何ら問題がなかったとしても、社会情勢、経済情勢、顧客動向、資金情勢その他諸々の外的要因により、予想外の状況に放り出されてしまいます。
業績好調で、無借金経営を誇っていた会社が、オイルショック時に資金不足となったものの、借入実績無く資金調達にご苦労された経験から、以後付き合い程度の借入を続け万一時におけるパイプ維持に努めていらっしゃるとお聞きしたことがあります(余談ですが、その企業も時代対応を誤り、既に倒産された様ですが)。
企業は生き物ですから、今どのように好調でも、永劫の繁栄は、非常に困難です。 技術革新、技術進歩が早いと言うことは、それだけ時代対応が難しいと言うことですね。
▲UP
借入依存の意識改革が企業生命を延ばす
借入を考える前に借入以外のなすべき事をしてから「借入すべきかどうか」を判断すべきだと思います。
と、申し上げれば、
「誰も借りたくて借りるのじゃない。借りるべきでないと言うことはイコール倒産してしまえと言うことか?」
と、お怒りになるかと思いますが特別な状況を除き決して倒産を奨励したりはしません。
借入を考える前に、前号の1、2の場合でも言えることですが、収益が仮に上がっていても
不足する → 借り入れる
の、銀行を自身の第2ポケットのように安易な気持ちで借りるべきではないと言いたいのです。
資金不足を補う方法は、借入をすることばかりではないと。
不足すれば借りる。 不足するから借りる。貸してもらえるから借りる。経営者自身の借り入れ依存意識を変えることが、企業の維持、企業の生命を延ばせることに繋がります。
▲UP
原因の究明
不足原因を掴むとともに当てはまる事が有れば地道に改善・努力することが、「銀行を頼る」気持ちを薄めていきます。
売上げの増加- 売上げが増加して、売掛金が膨らんだ場合等は、売掛金の圧縮努力を必要とします。 売上げが増加したと言って、回収条件を短縮してくれなんて事はなかなか通用しませんね。
既存先で間違いなく約束通りの入金になっていますか?
入金が遅れているところはありませんか?
入金遅れ先が有れば、督促して回収を促進して下さい。 -
売上値引 - 売上を伸ばしたいために、過分な値引き販売をしていませんか?
- 粗利益の低下
- 売上げを伸ばさんが為、薄利販売、ダンピング販売をしていませんか?
- 売上は増加しますが、収益は落ち、資金不足を招く要因になります。
- 仕入の増加
- 見込仕入、「特別値引期間」だからと不要不急商品を過剰に仕入れ、在庫に残っていませんか?
- 仕入締切日前の仕入を抑制する等努力していますか?
- 在庫
- 手持在庫商品からを優先販売させる等の指示を徹底させていますか?
- 滞留となっている商品の消化に努めていますか?
- 経費の増加
- 経費の増加要因となっているものは有りませんか?
- 採算性
- 採算割れになっていませんか?
- 不採算状況が続けば、資金不足となってきます。
- 取引先の倒産
- 同社に対する貴社の債権・債務総額は?売上あるいは仕入に占める割合は?
- 今後貴社の売上げ、仕入に及ぼす影響は?
- 銀行の金利の引き上げ
- 当然、貴社のキャッシュフローを悪くする原因になりますね。
- 売上げの低下
- 回収金が少なくなると共に、粗利益額が減りますので、営業利益を低下させてしまいます。
- 回収条件の変更
- 沢山買ってくれたからと現金から手形回収への条件をのんだりはしていませんか?
- 支払条件の変更
- 手形で支払っていたが、安くするので現金でくれと言われ支払った。
- 設備投資
- 自己資金で設備投資しようが借入で賄うが、その設備で収益償還できるまでの間、資金を減らします。
- その他
- 通常の営業行為以外に資金を流用した等その他色々な要因があります。
貴社が資金不足したときに思い当たった項目はありませんでしたか?
該当項目があったならその点の改善に努めてきましたか?
B/S P/Lが解れば経営が変わる
「B/S P/Lなんて、税理士さんと、家内の分野や。わしは見ても解らん」
そのようにおっしゃる方は少なくはありません。
何故、年間多額の金と労力を払って、決算をするのですか?
「税金を払わんとあかんやないか。それに銀行も出せと言うからや。」
そのように応えられる方も少なくありません。
一年間の業績と財産の状況を表すのが決算書です。経営者が「決算書」を診る力を備えれば、間違いなく経営が変わります。
経営を変えるために
社長との会話調に決算書の診方について話させて頂きます。
利息のかからない借入金
「金利のかからない借金なんて 何処の特別資金や?」
社長、お宅でもその資金は借りていますよ。
「そんなことあるかい。借金したら、金利は要るわ。金利どころか保証協会保証分は、保証料まで取られて、高い金利になってるわ。」
B/Sの右 「負債・資本の部」を診てみましょう。
この買掛金は何ですか?
「買掛金は商品仕入分のまだ支払ってないぶんや。」
この未払費用は?
「それはなぁ 経費のまだ支払ってないぶんやな」
ほう社長、なかなか詳しいですね。
「そらそうや。資産のほうからこちらに移ってくるやろう思ってな、家内に昨夜教えてもらったんや。まだ聞いてくれても良いぜ」
じゃぁ この短期借入金は?
「ほら来た。銀行から借りたぶんや」
じゃぁ 買掛金と短期借入金との最も大きな違いは何ですか?
「買掛金は仕入先だし、借入金は銀行や」
それは大きな違いになりませんね。
仕入先も、銀行も取引先と表現すれば同じでしょう?
まぁ 半歩譲って、その違いを認めたとして、他の大きな違いは?
「買掛金は、金利取られないけど借入金は金利取られるわなぁ。
・・・・買掛金・未払費用は、金利の取られない借金だな?」
ご名答です。
同じ「負債勘定」しかも、同じ「流動負債」ですのに、一方が金利取られ、一方が取られない。
同じ負債勘定の同じ流動負債ですのにね。
「そうか 金利のかからない借金というのは、これなのか。」
お分かりいただけましたね。
借入金以外は、支払義務がありますが、金利支払は特殊な場合を除けば不要ですね。
「なるほど。買掛金とか未払金は金利の要らない借金だ。これは有難いね。」
あなたも、金利を貰えない貸し金をしていますよ。
「そうだね。売掛金が多いのは、金利を貰えない貸し金が多いということなんだね。」
ということはどのようなことに気をつければいいのですか?
「そうか、それが売上債権回転率とかいうことになるのだね。売上げ時の回収条件、得意先との取決どおりに遅滞なく入ってるかのチェックが必要なのだね。」
この資本金というのは何ですか?
「これは会社設立したときに出した資金だよ。」
これも金利は必要ありませんね。儲かったときに配当すればいいのですから。
資本金は返済義務もない。
「資本金の増加は、金を増やす。これはわしにもわかるわ。増資したら当然お金が入るわけやからなぁ。 負債の増加は資金を増やすということはどういうことや」
買掛金は利息の要らない借入金だとご理解いただきましたね。もう少し詳しく話しましょう。
例示の件ですが、80万円の現金引換え仕入れを、50万円の商品のみ引取り、
50万円支払残り30万円分は、引取時に払えば資金が浮きましたね。
30万円分は、買掛金で、商品は「預け扱い」ということも考えられますね。
つまり、交渉前に比べ、30万円買掛金が増加するわけです。
そのために、出金を少なくできた。
つまり手持現金の減少を抑制できたということになりますね。
銀行から借入金をする。
それは現金を増やすためですね。
「それは、足りないから借りるだけで、何も現金が増えるわけではない。」
足りない分を満たすということは、現金が増えて支払や返済に充当するわけですから、例え一時的にでも現金が増えたことになりますね。
借入返済であれ、仕入支払であれ、それにより借入金なり、買掛金なりが減るのですから、負債の増加が資金を増やすなら負債の減少が資金を減らすということですね。
「なるほど。右から左というけれども、うちの場合は右から瞬間的左で、右なんだな。」
資金が少ない状態で推移しているなら、当然新規仕入先等の場合は、買掛期間を長く取り決めるとか努力を重ねていけば、「利息不要の借入効果」で、資金繰りが徐々に楽になっていきますよ。
それが仕入債務回転期間です。
売上債権と同じく、「 Plan Do See 」で、改善を図っていきましょう。
「銀行から借りたら現金を増やすのに、何故、「借入に安易に走るな」と言っていたのかな?」
▲UPピンハネを防ぐために
P/Lをよく見ると言われていましたが、何処を見ますか?
「まず税引き前利益やなぁ。最終的にいくらもうかったんかが何と言っても気になるからなぁ。」
良いですね。ネクストアンサーは?
「当期利益や。税金に持って行かれてこれだけしか残らんのかとな。」
ふむふむ。それからは?
「売上げだなぁ。何と言っても売上げや」
次は?
「それから順番に見ていくね。売上総利益、販売費及び管理費、経費とね」
経費は何処に注目されます?
「そりゃぁ 人件費や。それと特に金額の大きいものを見るね」
それから?
「まぁ 経費はそんなもんや。それからは営業利益やなぁ。これが本当の利益やからなぁ」
「そして、経常利益を見て、営業利益との差額で支払利息見て、これほども銀行にピンハネされたのかと溜め息着くわ。」
さすがわ社長、だてに経営をやってませんね。90点ですよ。
「なんや、100点と違うのか?」
御社の在庫は充分でないですよね。
残念ながら棚卸しの信憑性がもう一つ薄い。
だとすれば、仕入率(当期純仕入額÷純売上額)と粗利利率と比較して下さい。
大きく乖離しているようでは、棚卸しが不正確の可能性がありますよ。
勿論、決算書作成まで充分にチェックをされているでしょうが、今回は借入金の問題から端を発しての考え方ですから当然経費の中では「減価償却費」に注目すべきです。
「減価償却費」は実際には、金が出ていませんね。
その「減価償却費」分が、間違いなく資金が浮くと言うことになるのです。
「じゃぁ 税引き後利益に減価償却費を加えた分が資金が浮くと言うことなのかな?」
そうですと言いたいのですが、そうではないのですね。
「経常利益」から「税引き前利益」の間に、特別利益と特別損失がありますね。
この内容によりますし、また営業利益と経常利益間の営業外収支の内容にもよりますが、簡単に考えれば経常利益に減価償却費を加え、税金を除いたものが資金の増加と考えられた方が正解かと思います。
それに、もうお解りですよね。
私が安易に借入に走るなと言った一つが社長がピンハネと称した「支払利息」です。
銀行等の借入金(有利子負債)を抑えることが、ピンハネを抑えることになるのです。
借入金がなければ溜息もなくなる訳ですよね。
B/S P/Lの勉強をして頂いたのは、借入金を抑制するにはどうすればいいか、自助努力をどのようにすれば良いかを考え実行して頂くためなのです。
▲UP時価会計
B/S説明時、難しくなって途中で投げ出されてはとあえて避けましたが、財産を、換金するとどれくらいの価値になるかを掴んでおくと良いですね。
「それはB/S 通りじゃないのかな? 回収不能の売掛金もないし。」
じゃぁ土地は如何ですか?
土地は買ったときの価格(取得価格)で計上されていますね。
ゴルフ会員権はいかがですか?
リゾートホテルの利用権は?
電話加入権は?
それがそのままの価格で売れる訳ではありませんね。
そこら辺りの値打ちを頭に入れておく必要がありますね。
いざとなれば、売却を決意した方が良いかも知れませんからね。
それが最近言われるようになった「時価会計」の考え方です。
「時価会計という言葉は最近よく聞くようになったなぁ。なんだそんなことか。」
B/S P/Lで、どうすればどれくらいの資金を生み出すのか、キャッシュアウトを節約をできるかを頭に入れておくことが必要ですよ。そうすれば、まず自余努力を考えられ、最後に借入との順番を変えて考えられるように成られるでしょう。
借入に頼った方が良い場合、頼らざるを得ない場合、それぞれの局面に判断するのが経営者の大切な仕事です。 そのためには常日頃、大まかであっても、B/S P/Lの状態を掴んでおくことが必要だと解って頂けると思います。
「他に借入を抑えた方が良いという理由はあるのかな?」
勿論です。これからそれを話します。本題の借入金問題に戻ると言うことになりますね。
一億総借金漬け戦略(創られた信用経済)
お金は個人生活、企業活動を問わず、無くてはならないものですね。
社会人になって数年経っていましたでしょうか?尊敬する上司に「君は何のため働いているのか?」と質問を受け、「やり甲斐です。生き甲斐です。愛社精神です。」と決まり文句で応えたのですが、「じゃぁ君は会社が給与を支給できなくなっても、会社が倒産しようとも会社に勤めるのだな?」と指摘され、「サラリーを得るために働いている」のだと気付いた次第です。
お金を得られない仕事は、趣味・道楽・ボランティアと言われ、収益を目的としない団体は、財団法人・NPOと呼ばれますね。
勿論仕事は金銭だけの為だとはいいませんが、もし金銭が全く得られないとなりますとそれを仕事として続けていけるでしょうか?
企業には文化もポリシーも必要ですが、収益を得られない企業は存続できるでしょうか?
カード社会・プラスチックマネー・クレジット社会・消費者ローン社会、随分とご利用しやすくなっていますね。まさに「信用経済満開社会」です。
昔、クレジットカードに入会するにも、入社後3年以上とか入会諸条件が厳しかったものです。一ヶ月後満額決済のクレジットカードでさえもです。
何故借りやすくなったのでしょう?
ある頃より銀行が普通預金口座数獲得運動を展開していました。
今、「口座維持手数料」云々なんて事を言っていますが、当時は普通預金口座を開設すれば、入金しなくてとも通帳を貰ってみれば「お始め」として50円の入金が通帳に載っている。
50円どころか各銀行が次から次にと言ってくるのを手玉に、最後には千円までつり上げてしまいましたが。(こんな交渉したのは私だけかも) 銀行がそのようなことまでして口座獲得運動を展開したのです。
ある時、「従業員に口座開設協力を依頼して欲しい」との要請を受け、「普通預金開設申込書」を多数渡されました。ところが、その申込書の複写部分に「クレジットカード申込書」と「カードローン申込書」がセットされていたのです。
普通預金を開設したつもりが、両申込も同時にされていたことになるのです。
「普通預金口座協力を」とのみ説明をしながらこのやり方に猛然と抗議し、「クレジットカード申込書」と「カードローン申込書」の部分を取り外してでの申込でOKと承諾させて同僚に普通預金口座開設協力を依頼して廻った次第ですが、取り外して申込書を出すなんてやり方は殆どの個人がしてないと思いますので、普通預金口座開設のみに見せかけて与信枠がばらまかれていったのです。
これが、良く言えば「一億総個人信用経済の幕開け」、悪く言えば金融機関の戦略(策略)による「一億総個人借金漬けの幕開け」ですね。
▲UP借金体質の創造、開拓
「需要を開拓する」という言葉があります。
通常は、需要があるから供給するのですが、その前には創造・開拓が必ずあります。
銀行は決済口座である普通預金口座の開設から地道に開拓されて? 行きました。
ちなみに、私が社会人となった頃は、給料も勿論現金で頂きましたし、私自身1年間くらいは、郵便貯金口座しか口座を持ってなかったように記憶しています。
一般家庭でも、預金口座を持っていない家庭は多かったと思います。
公共料金にしろ、納付、集金が当たり前でしたから、必要性がなかったわけです。
お金がタンスに貯まれば、銀行に「定期預金」して、あるいは月々「積立預金」をするような状況だったと思います。
銀行はその金を、右肩上がりで資金需要旺盛な企業のなかから選別して「貸し与え」れば良かったわけですから。
当時「普通預金口座獲得推進目的」は、「個人をローン漬けにする」目的で推進したものではなく、タンスに眠るお金を、あるいは収入から少しでも預金をさせて、しかも定期預金のような高金利ではなく(今は高金利でも何でもありませんが)、低金利で個人預金を吸収したい。それが本音だったと思います。
当時は預金さえ集めれば、企業は口を開けて待っているのですから、それら企業をふるいにかけ貸し与えれば良かったのです。
貸し与える・・まさに貸し与えるのです。
殿様(銀行)が、飢餓状態の民(企業)に貸し与えるというような風情でした。
企業の資金需要は、「設備投資」に、「増加運転資金」にと旺盛で、資金さえ確保すれば、金利なんて問題でなくて本業で充分に儲かったのです。
資金さえ確保すればなんぼでも儲かった時代だったのです。
金融引締め時は、金利交渉なんて事はとんでもなく、実行されるまで適用される金利は解りません。
聞いて心証を悪くされては困りますので、聞いたりはとてもじゃなくできることではなかったのです。
実行されて初めて恐る恐る「今回は金利何%でお願いできたのでしょう?」なんて状況でした。
バブル直前辺りからの経営者、資金担当者、その辺り以降に入行された銀行員にさえそのような光景は、とても想像さえできぬ事かと思います。
企業は、殿様の顔色をうかがい、あの手この手で資金を回してもらえるようお願いするような状況でしたので、 当然、個人ローンはおろか、中小企業には充分に貸せない状況でしたので、預金口座獲得は、銀行が低利で資金を集める事を主目的としたものだったのです。
預金口座の普及に伴い預金残高が滞留するように「給与振込の推進」、「公共料金自動引き落としの推進」、「クレジットカードの推進」へと進んでいきました。
「個人から預金を吸い上げ、個人に貸さないのはおかしいのではないか」と国会でも論議されるまでに至りました。
個人が、消費の為に借りてなかったわけではありません。「サラ金地獄」なんて、サラ金から借りている人の悲惨状態が社会問題視されました。
しかし、今程、お気軽に大勢の方が利用されていたわけではありません。
大企業に体力が着き、企業の資金需要が衰えますと、都市銀行までもが、雪崩を打って小企業や個人に貸付けて廻りました。
こうして小企業、個人までが、徐々に借金に慣らされていったのです。
勿論、個人貸付けの開拓は、住宅ローン等を除くいわゆる消費者ローンの開拓を担ったのは、ローン会社ですが、
ローン会社が全国的規模に営業ができたのは、銀行が、個人に普及させた預金口座を利用した決済システムと、銀行からの融資に他有りません。
このように数十年の長い歴史を経ましたが、中小企業も、個人も徐々に借金アレルギーが消え借金体質が定着していったのです。
▲UPどっぷり浸かった借金体質
資金の不足要因をおさらいしますと、
- 事業不振
- 過剰投資(固定資産のみならず、過剰在庫等も含む)
- 過剰借入
- 主力取引先の倒産
- その他
等が、資金不足要因となります。個々によって取るべき対策が異なります。
例えば、事業不振であっても、一過性のものか、継続的不振なのか
一過性であれば、若干の借増し等で乗り切ることもできるでしょう。
ところが、一過性でないのに無理な借増しを続けるところに、悲劇の終着を迎えることとなるのです。
ここら辺りの見極め判断を冷静かつ適格に行うのが「経営判断」なのです。
過剰投資であれば損切りすべきかが「経営判断」です。
過剰借入で借増しを続けるかこれも「経営判断」です。
倒産に遭いますと「売掛金債権」、「手形債権」のみならず、その得意先への売上が無くなるわけですから、今後の売上も落ちますがこのような状況でどうすべきかがも「経営判断」です。
借増しはその時の資金を増やしますが、間違いなく体力を弱めていくのです。
何よりも必要なことは、組織を状況に対応させることです。
事業不振であれば改善可能要因を徹底的に追求して再構築を要しますし、過剰投資であれば、最悪有料廃棄までも決意する必要もあるかも知れません。
再構築と言えば非常に難しく聞こえますが、事業実態に合ったサイズに「リサイズ」することです。
過剰借入に対しては一般的に借増しを続けていくべきではありません。
返済期間を延長する(リスケジュール)等により、自己体力に合った返済額にすることを検討される方が宜しいでしょう。
いとも簡単に申し上げましたが、業界の置かれている状況、会社の体力、会社の諸状況によって対策が個々に異なります。
「万人に効く特効薬」は、会社とは営利(収益)を追求する団体ですから、「収益体質に再性」する以外に無いのです。
営利が上がらない体質のままで「借増しを続けていく」にも、「リスケジュールをする」ことにも銀行は難色を示すでしょう。
仮に成功したとしても、再びその状況に追い込まれてしまいます。
条件が個々によって異なりますので、他社が成功したからと言って貴社に当てはまるわけではありませんが「活性こぼれ話」に少し掲載しています。
▲UP