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散水も「焼け石に水」 恵みの雨いつ…農作物に深刻被害、9水系で取水制限
2013.8.22 00:19
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通常の灌水では間に合わず、奄美市では散水車5台で支援に乗り出しているが、記録的少雨の前には追いつかない状態。収穫は年末。恵島さんは「今後の雨量によって回復の可能性もある」と祈るように話す。
西日本を中心に少雨となったのは、梅雨明けが早かったことに加え、猛暑をもたらす太平洋高気圧が通常より西に位置しているためだ。気象庁によると関東甲信より西では平年より最大15日早く梅雨明けし、梅雨前線の恩恵が少なかった。
7月から8月にかけては日本列島の南にある太平洋高気圧の中心が沖縄周辺にとどまり、九州や四国などで記録的猛暑となった。
19日に4年ぶりに第3次取水制限を開始した四国の水がめ・早明浦ダムがある高知県でも農作物への影響は深刻だ。県によると、立ち枯れや生育の遅れといった被害が相次ぎ、被害面積は計1523ヘクタールに上る。
水稲の被害面積は全国史上最高気温の41・0度を記録した四万十市など7市町村で1050ヘクタール、ショウガは高知市、香南市など6市町で171ヘクタール。JA高知市の職員は「灌水設備のないところでは例年の5割減、設備があっても2割減くらいになりそうだ」と話した。
水を大量に使う製造業にも影響が出ている。徳島県を流れる那賀川水系ダムの貯水量減少を受け、那賀川渇水調整協議会は20日から工業・農業用水で実施している取水制限を30%から40%に引き上げた。
同水系を利用している王子製紙富岡工場(徳島県阿南市)は地下水の運用や工業用水の再利用などの節水を実施。広報担当者は「渇水が長期化し、取水制限がさらに引き上げられれば、操業調整も検討する必要がある。早く一雨ほしいところ」と話した。
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