■国債暴落で日本経済崩壊も
小幡准教授は「国債暴落の危険性がアベノミクスの急所だ」と警告した。
もちろん日本国債暴落の可能性を警告する声はこれまでも数多く上がっていた。日本の政府債務が世界最高の水準に達し、債務不履行(デフォルト)の可能性が高まるとの理由からだ。しかし、そうした懸念が指摘され、ヘッジファンドが国債を売るたびに、日本の機関投資家が国債を買い、暴落懸念は杞憂(きゆう)となった。
しかし、小幡准教授は「今回は違う」と話す。その理由は円安だ。小幡准教授は、アベノミクスが推進する円安自体が国債価格の暴落を意味すると説明した。ドルベースで考えた場合、円安が進めば、日本国債は実質的に下落するからだ。
これに対し、日本国債の90%を国内投資家(主に機関投資家)が保有しており、外国投資家による日本国債の保有比率は10%に満たないため、問題は深刻ではないとの反論もあり得る。それについて、小幡准教授は『ハイブリッド・バブル』という著書で「外国投資家の国債保有比率は低いが、売買回転率が高く、国債先物の出来高の40%を占めている。短期的な影響力という面では重要な投資者だ」と説明した。
また、円安とは別に、当局の意図通りにインフレが起きれば、市場金利が上昇し、状況はさらに悪化する。小幡准教授は「日銀はばかだから、高値で国債を買い入れているが、市中銀行は今後変わってくる」と予想した。
インフレで国債利回りの上昇は避けられない。これは国債価格の下落を意味する。万一国債価格が暴落すれば、どんなことが起きるかは既に広く知られている。投資の一環として、日本国債を200兆円近く保有する日本の市中銀行は多額の含み損を抱え、自己資本割れに陥る。それが銀行の倒産につながり、企業は資金を借り入れることが難しくなる。それを防ぐため、政府が銀行に公的資金を投じるが、その財源を調達するには、国債を増発しなければならず、国債価格の下落に拍車を掛けることになる。