集団的自衛権:山本庸幸・新最高裁判事、一問一答 「改憲は国会と国民の判断」
毎日新聞 2013年08月21日 大阪朝刊
20日付で最高裁判事に就任した山本庸幸(つねゆき)氏の記者会見での主な発言は次の通り。
−−憲法9条の解釈変更による集団的自衛権の行使について、どう考えるか。
◆我が国自身に対する武力攻撃に対して、必要最小限度で反撃をするための実力の装備(自衛隊)を持つことは許される。過去半世紀くらい、その議論でずっと来た。これに対し集団的自衛権は、我が国が攻撃されていないのに、我が国と密接に関係のある他の国が攻撃された時に、共に戦うことが正当化される権利だ。従来の解釈を変えることは私は難しいと思っている。
しかし、最近国際情勢が緊迫し、安全保障環境も変わってきている。内閣がある程度決断し、その際に新しい内閣法制局長官が理論的な助言を行うことは十分あり得る。
−−憲法そのものを変える選択肢は。
◆法規範が現状に合わなくなったのであれば、その法規範を改正するのは一番クリアカット(明快)な解決。するかどうかは国会と国民の判断だ。地球の裏側まで行くような集団的自衛権を実現するためには憲法改正をした方が適切だと思う。
−−憲法解釈の変更のために、法制局の人事に(政治が)介入する手法をどう見るか。
◆人事権者のなさることで、私が申し上げることではない。