シベリア抑留被害遺家族 質疑に
外交部 "韓日協定で解消" 答弁
日本の野党らは "補償立法活動 継続"
"政府が日帝強制動員被害者を助けるどころか、妨害をしているようです。"
20日シベリア抑留被害者ムン・スンナム(逝去)氏の息子ムン・ヨンシク(53)氏の声には虚脱感が漂っていた。1924年生まれの彼の父親は、植民地時期に日本陸軍に強制徴集され満州の関東軍に配置され、ソ連の参戦と共にソ連軍の捕虜になった。 戦争は終わったがムン・スンナムは故郷へ戻れなかった。 ソ連が不足した労働力を補充するために満州で捕虜として捕らえた日本人や朝鮮人60万人余をシベリア各地に送り、長期間強制労働に投じたためだ。
ムン氏は去る5月、シベリア抑留問題解決のために政府がより積極的な努力をしてほしいという趣旨で韓国外交部にこの問題に対する見解を問う質問書を送った。 しかし外交部は6月12日と去る14日の2度にわたり「1965年、韓日協定以前に帰国し国籍を回復したシベリア抑留被害者の対日請求権は、韓日請求権協定により解決されたものと思われる」という回答を送った。 外交部は2005年韓日協定文書公開以後に作られた‘民間共同委員会’で韓日協定に含まれなかった問題として△軍隊慰安婦△サハリン残留朝鮮人△原爆被害者など3点だけを規定しているという点を根拠に挙げた。 1965年韓日協定によって問題が解決されたので、これ以上日本政府に要求する根拠がないという話であるわけだ。
このような外交部の見解は、この間この問題の解決のために数十年にわたり努力してきた日本政界と市民社会の見解より後退したものだ。 シベリア抑留者問題の解決のために永く努めてきた今野 東 日本民主党元参議院議員(逝去)は2009年3月<ハンギョレ>とのインタビューで「シベリア抑留被害は敗戦以後に起きたことなので、日本政府は韓国人が個別的に被害補償を要求できなくした韓日協定を根拠に補償を拒否できない」として「今後、韓国人も補償を受けられるよう立法活動を続ける」という見解を明らかにした経緯がある。 日本政府は(日本の)民主党政権時期である2010年6月、日本人シベリア抑留者に対する救済措置に乗り出し、1人当り25万円から150万円までの特別給付金を支給した経緯がある。 立法初期には韓国・台湾国籍者なども支給対象に含めたが、反対する自民党を説得して先ず法を作った後に範囲を広げていこうという慎重論によりひとまず日本人だけを対象に立法する側に後退した。
韓国外交部当局者はこれに対して「現在政府次元でこの問題に対する法的検討を進行中」としながらも「しかし政府の既存見解としては変わったことはまだない」と話した。 強制動員被害問題を永く研究してきたある関係者は「韓国政府が日本の責任を追及しても足りない時に、日本政界の見解より後退した法解釈を出すとはあきれるしかない」とし「韓国政府がこの問題は日本の責任ではないと言ってしまったので、日本政府が今後責任ある措置を取れるわけがあるか」と反問した。
キル・ユンヒョン記者 charisma@hani.co.kr
韓国語原文入力:2013/08/20 21:42http://www.hani.co.kr/arti/international/japan/600285.html 訳J.S(1424字)