電力使用率:関電、九電で95%超 舞鶴火力、故障停止
毎日新聞 2013年08月20日 東京朝刊
各社は、夏場にフル稼働する火力発電のトラブルを避けようと、需要が減る土日に補修を行ったり、トラブルがないか見回りを増やすなど対策を講じている。しかし、定期検査を遅らせてまで運転を継続するなど酷使を続けているため、「トラブルをなくせない」(電力幹部)のが実情。とりわけ、老朽化火力のトラブルが懸念されてきた。
しかし、関電舞鶴1号機は2004年運転開始の新鋭機。今夏トラブルがあった北海道電力の苫東厚真4号機、九電松浦1号機も比較的新しい。こうした発電所での相次ぐトラブルは、火力発電に相当の負荷がかかっていることを示していると言えそうだ。
猛暑にお盆明けの産業需要が加わったことなどで、九電では一時、供給余力が50万キロワット強まで少なくなった。大型発電所が1基止まれば、需給が逼迫(ひっぱく)する状況だ。そうなれば、他社からの電力購入を増やしてしのぐ方針だが、他社でもトラブルがあれば、電力を調達しにくくなる。
政府は、他社からの融通を最大限受けても、電力使用率が97%を超える水準まで悪化すれば、「需給逼迫警報」や、緊急速報メールなどで一段の節電を呼びかける。