宮津の火力再開を 山田知事、関電に要請

関電の廣江常務(左)に宮津の火力発電所の再開を求める山田知事(10日午前9時25分、京都市上京区・京都府庁)
関電の廣江常務(左)に宮津の火力発電所の再開を求める山田知事(10日午前9時25分、京都市上京区・京都府庁)

 京都府の山田啓二知事は10日、節電協力への感謝で京都市上京区の府庁を訪れた関西電力の廣江譲常務に対し、関電宮津エネルギー研究所(宮津市、出力75万キロワット)の火力発電所再開をあらためて求めた。関電側は慎重姿勢を崩さなかったが、宮津エネ研の火電再稼働により府内の消費電力は府内の発電所でまかなえるため、今後も再稼働を訴えていく。

 府の試算によると、火力の舞鶴発電所(舞鶴市)と水力の天ケ瀬発電所(宇治市)と揚水発電の喜撰山発電所(同)に、停止中の宮津エネ研を加えると府内発電所の出力は310万キロワットになる。今夏の関電の最大需要(2682万キロワット)から算出した府内分は311万キロワットで、ほぼ一致する。

 関電大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働をめぐって、慎重姿勢を示していた山田知事らに電力供給地である福井県側から「消費地の理解が足りない」との苦言も出ていた。

 山田知事はこの日、「宮津火電が止まっているのに消費地と言われてもつらい」と述べ、府内の需要分は府内でまかなうため宮津エネ研の再開を促した。

 これに対し、廣江常務は「発電コストや二酸化炭素排出の問題がある。国の政策をみて的確に判断したい」と述べるにとどめた。

 宮津エネ研の1、2号機は1989年に稼働したが、当時は電力需要の減少から稼働率が低く、2004年4月までに2基とも相次いで停止した。再開には主要部品を取り換える必要があり、1千億円以上の費用がかかるという。

【2012年09月10日 22時40分】