Updated: Tokyo  2013/08/20 20:40  |  New York  2013/08/20 07:40  |  London  2013/08/20 12:40
 

円が全面高、株安加速でリスク回避の動き広がる

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  8月20日(ブルームバーグ):東京外国為替市場の円は全面高。米国の量的金融緩和策の早期縮小観測やアジア株の大幅な下落を受け、リスク回避的な円買いの動きが優勢となった。

この日の相場は前日に引き続き株価や債券利回りの動向をにらんだ展開に終始。TOPIX などが下落幅を大きく縮小した午前の取引では円売りが強まる場面があったが、午後からは株価が一段安となったのに伴い、円買いが加速した。円は主要16通貨全てに対して上昇している。

東京株式相場では、インドやインドネシアを中心に新興国経済への懸念が台頭。TOPIX、日経平均株価はともにおよそ2カ月ぶりの安値を付けた。ドル・円相場は株安を受けて一時1ドル=97円18銭と、16日以来の水準まで円高・ドル安が進んだ。

午前10時半にオーストラリア準備銀行(中央銀行)が公表した6日の金融政策決定会合の議事録では、政策決定には為替相場の方向が重要になると指摘されていたことや、豪ドルの水準について過去の基準では依然として高いとみられていたことが明らかになった。

豪ドル・米ドル相場は一時1豪ドル=0.9036米ドルと、朝方に付けた高値0.9133米ドルから豪ドル安が進行。豪ドル・円相場も1豪ドル=89円23銭前後から87円86銭前後まで豪ドルが売られた。

あおぞら銀行市場商品部の諸我晃次長は、「米金利はもう下がりづらくなっており、上昇は織り込む展開だが、米株安や新興国売りに伴うリスク回避もあって、ドル・円相場では相殺されている感じだ」と述べていた。

19日の米株式相場は下落し、S&P500種株価指数 は今年初めて4営業日続落となった。米国債相場も続落し、10年債利回り は2.9%程度と2011年7月以来の高水準を付けた。ただ、この日のアジア時間の同債利回りは一時2.82%まで低下している。

ブラウン・ブラザーズ・ハリマン外国為替部の村田雅志通貨ストラテジストは、この日のドル・円相場について、「起点は米QE(量的緩和)縮小観測の織り込み一服による米債利回りの低下。それでドル売り主導の相場展開となり、ドル売りの対象として、アベノミクスの鮮度がかなり色あせた円が選ばれた」と指摘していた。

記事に関する記者への問い合わせ先:東京 崎浜秀磨 ksakihama@bloomberg.net;東京 野沢茂樹 snozawa1@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:Rocky Swift rswift5@bloomberg.net;大久保義人 yokubo1@bloomberg.net

更新日時: 2013/08/20 16:22 JST

 
 
 
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