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経済
【原発再考】安全を極める(1)超小型高速炉 「燃料交換30年不要」に注目
三菱重工も次世代炉の開発を急ぐ。最大のテーマは大きな事故の際に人間の操作を省くことだ。
燃料が高温になり、冷却水が蒸発などで無くなった場合、通常は反応を抑えるホウ酸水を流し込む。既存の原発はホウ酸水のプールを格納容器の外に設け、複雑な配管とポンプで中に引き込む設備が必要だった。
次世代炉は格納容器内にプールを取り込み、ポンプや配管を省略。「これによって人的な操作ミスは格段に減る」(加藤顕彦・安全高度化対策推進室長)
国内の不信感を払拭できない一方、日本の原発に対する海外の評価は揺らいでいない。「安全向上に終わりはない」。電力会社、原発プラントメーカーの技術者の決意は3・11の前も後も変わらない。
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政府の原子力規制委員会が月内にも公表し、7月に法制化する原発の新規制基準案は、安全確保を過度に重視し、「再稼働させないことを狙ったような必要以上に厳しい内容」との批判がある。日本の原発はそれほど危険なのか。現実的な視点で「安全」を極めようとする最前線を取材した。
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【用語解説】4S東芝が電力中央研究所と共同開発している高速ナトリウム炉で、発電出力1万~5万キロワット。炉心の直径0・68メートル、高さ2メートルとコンパクトで、理論上は燃料交換なしで30年間使用できる(1万キロワットタイプ)。熱出力が低く制御しやすいほか、船舶で輸送して設置できるのが特徴。
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