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紛争地での性暴力の解決に向けて

8月18日付の「産経新聞」に「紛争地の性被害者支援 首相、国連総会で表明へ 人権重視アピール」という記事が掲載された。
 
 
 
紛争地でおきる性暴力解決へ向けて、「国連女性機関(UN Women)」へ資金援助するというものだ。
 
 
記事文中には、「日本は慰安婦問題をきっかけに「女性の人権を軽視する国」との誤解を受けることが多く、国際社会に未来志向で人権重視の姿勢をアピールする狙いがある。」や「外務省幹部は「人権に絡む国際会議では慰安婦問題ばかりが注目され、欧米から白い目で見られることも多い」との現状がある。」という、日本のメンツや慰安婦問題に関する日本側の主張を通そうとするなど、「紛争地」と「性暴力」という本来の問題の本質からはズレたところに、今回の資金援助の意図が見えそうではあるのが少し心配である。
 
 
そもそも慰安婦問題が私たちに突きつけているものは、なにも旧日本軍が犯した過去を暴露するとか、自虐的になるとか、自分たちの祖父を蔑むとかではなく、今までスルーされてきた「戦争と性」・「軍隊と性」という問題を解決する取っ掛かりなのである。
 
 
日本軍慰安婦問題がクローズアップされてから、紛争地・戦争での性暴力についての重要性もより深く認識でき、過去の紛争・戦争での性暴力のみならず、現在進行している紛争・戦争での性暴力、そしてこれからおこるかもしれない紛争・戦争での性暴力へ向けての私たちの態度・取り組みを明確にすることが求められるようになったのだ。
 
 
今回の日本の資金援助は「自己弁護」・「免罪」のように思えるが、これを契機として日本政府に、慰安婦問題も旧日本軍が犯した性暴力であることを認めさせる方向へ持って行ければと思う。
 
 
性暴力が突きつける問題は大きく、紛争地・戦争のみならず、現在の一般社会の中でも解決の方向へ踏み出さなければならない。
 
 
 
(参考)
「性暴力被害、支えの場…各地に「センター」次々」
 
 
 
 

「慰安婦、公娼制、人身売買など」書庫の記事一覧

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