インドネシアが典型的通貨危機のパターンを呈しています。ジャカルタ総合指数は-5.58%の急落、ルピアも前日比1%安、国債も下落しました。

急落の直接の引き金になったのは16日夜に発表された第2四半期の経常収支が、アジア通貨危機以来、最大の98億ドルとなったというニュースです。

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最近、インドネシアの外貨準備高の目減りは、ペースを速めている観があります。

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一般に新興国に投資する場合、普通にマーケット環境が良い時には、割合ラクに儲けることができます。ところが環境が変わると、今回のインドネシアのように、株安と新興国通貨の急落でダブルパンチを受け、短期間に大きな損が出ます。

従って、通貨の健全性を日頃からチェックしておくことが極めて重要になるのです。

新興国の成長見通しの方が先進国のそれよりも高い場合は、先進国から投資資金が新興国へなだれ込みます。

それは新興国の通貨を押し上げることになります。新興国の通貨が強くなると株式投資の投資成果は、株価そのものの上昇で儲かることに加え、通貨高でも儲かるわけですから、これほど結構なことはありません。しかしそこに落とし穴が控えているのです。

新興国の通貨が高くなるとそれは輸出競争力の減退を招きます。輸出の不振は景気の悪化を招き、それは新興国からの投資資金の離散の原因になります。

従って、ある新興国の通貨が健全であるかどうかをチェックする出発点は、先ず輸出に注目することです。現在の輸出額が直近のピークより5%以上、金額ベースで落ち込んだ時は要注意です。

次に経常収支に注目して下さい。経常収支は貿易収支に国際間の資本の移動を加味した数字と理解することが出来ますが、この経常収支が赤字になり、しかも通常の赤字幅よりもだんだん赤字が拡大しているときは注意が必要です。

そして通貨不安の出る国は外貨準備が減り始めますこれが出たら赤信号です。なぜなら外貨準備が減っているということはその国の中央銀行が外貨準備を使って自国通貨を買い支えていることに他ならないからです。

あ、ついでに言うとタイもあきまへんで。

やっぱり「赤い銀行」がアユタヤ銀行を買収したあたりが天井だったカナーッ?