復興庁:被災者支援 先送り密議 暴言ツイート裏付け
毎日新聞 2013年08月01日 05時30分(最終更新 08月01日 10時18分)
国が定める一般人の被ばく限度は年間積算線量1ミリシーベルトだが、政府は事故後、20ミリシーベルトを目安に避難指示区域を設けた。一方、昨年6月21日に成立した支援法は、線量が「一定基準」以上なら避難指示区域ではない地域からの自主避難者も支援の対象に含めるとした。線量基準として、被災者支援の市民団体などは「1ミリシーベルト」を主張するが、対象範囲が広ければ国の財政負担は大きく、基準の検討には政治判断も絡む。検討結果によっては被災者らの強い反発も予想される。
3月7日の原子力災害対策本部で、根本匠復興相は線量基準について「客観的な根拠に基づく国民の理解が必要」と述べ、検討の期限は示さなかった。その上で「線量基準に応じた防護措置の検討」に触れ、避難者の帰還に向けてまとめる被ばく低減策については、同本部で年内をめどに見解を示すとした。
復興庁広報班は毎日新聞の取材に対し「(3月8日のツイートに関わる)当該施策の内容は、回答を差し控えたい。3月7日以降、関係省庁の課長、参事官をはじめ関係者が不定期に打ち合わせをしているが、元参事官は参加していない」としている。【日野行介、袴田貴行】
◇ことば【興庁幹部の暴言ツイッター問題】
復興庁で「子ども・被災者生活支援法」を担当していた参事官が昨年8月の着任以降、同法の推進を求める国会議員や市民団体などを中傷するツイートを繰り返していた。同法は、原発事故の影響で放射線量が一定基準を上回る地域の子どもをはじめとする住民、避難者に対し、国が医療や生活を支援すると定めた理念法。しかし「一定基準」が決まらないため、成立から1年以上たっても基本方針が策定されていない。