内閣法制局:長官に小松氏決定 阪田・元法制局長官に聞く

毎日新聞 2013年08月09日 東京朝刊

 ◇無視できぬ、議論の蓄積−−阪田雅裕(さかた・まさひろ)元法制局長官

 内閣法制局長官交代で、集団的自衛権の行使を禁じた憲法解釈の見直しは進むのか。阪田雅裕元内閣法制局長官(在任2004年8月〜06年9月)に聞いた。

 憲法9条の解釈は国会での議論の積み重ねを踏まえて合理的に確定し、今日に至っている。それを理屈抜きに「私はこう考える」と変更することは許されない。統治権力が自由に解釈できるなら、「法治」ではなく「人治」になる。

 憲法を含めて法律の解釈は論理だ。1人が「正しい」と思ってもだめで、みんなが納得する論理でなければならない。新しい目線で考える人が枢要な立場にいることに意味がなくはないが、それで直ちにすべてが解決するものではない。

 法律が時代遅れになることはよくある。だからといって解釈を変えて時代に合わせるのは例外的で、法改正こそ議会制民主主義だ。憲法も96条で改正手続きを定めているのだから、必要なら改正の適否を国民に問うのが政治の王道だろう。

 集団的自衛権について、政府は自衛隊創設から60年近く一貫して同じ解釈をしてきた。解釈を変えるのは、政府はこれまで解釈を間違ってきたということだ。どこが間違っていたのか、新しい理屈の方が論理的にどう正しいのかを国民にきっちり説明する必要がある。

 集団的自衛権を認めると、国際法上許されない武力行使はできないというだけの「世界標準」の憲法になる。98条2項(条約及び国際法規の順守)があれば十分で、9条の意味がなくなる。国民の考える平和主義と整合するのかどうかは疑問だ。【聞き手・朝日弘行】

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