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速報

石原まき子さん「黒部の太陽」舞台に桜植樹 大輪よ、裕次郎さんに届け!

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 1987年に亡くなった昭和の大スター・石原裕次郎さん(享年52歳)の妻で、石原プロ会長の石原まき子さん(80)が19日、富山・立山町の黒部ダムで行われた「ダム完成50周年式典」に出席。裕次郎さんの代表的映画「黒部の太陽」(68年公開)の舞台を初めて訪れた。記念に桜の苗木を植樹した、まき子さんは「裕さんは天国から『来てくれて、ありがとう』と言ってくれるはず」と感慨に浸り、撮影当時のエピソードを明かした。

 雄大な黒部ダムを目の当たりにしたまき子さんは、裕次郎さんと過ごした日々を思い起こした。観光の目玉として有名な放水を見下ろす展望広場に、裕次郎さんが大好きだった桜の木を植えて「裕次郎さんは本当に苦労して、作品を残したんですね」と、しみじみと語った。

 「黒部の太陽」は長野県大町市から黒部ダムへと続く5・4キロの大町トンネル(現関電トンネル)の貫通工事を中心に描かれた。中でも破砕帯(はさいたい=岩石が細かく砕け、その隙間に地下水を大量に含んだ軟弱な地層)での工事シーンでは裕次郎さんが地下水の濁流にのみ込まれ、右手の親指を骨折。結果的には、その迫力あるシーンが話題を呼び、ヒットにつながった。

 前日、トンネル内の破砕帯を見学したまき子さんが撮影当時の思い出を語った。「黒部―」は俳優が所属会社以外の作品に出演できない―という大手映画会社が定めた「5社協定」を乗り越えて製作した苦心の大作。撮影準備は秘密裏に進められ、ダブル主演の三船敏郎さんとの打ち合わせは週2、3回、東京・成城の石原邸で深夜に行われていたという。

 映画1本の製作費が約3000万円だった時代。「黒部―」は破格の3億8900万円を費やして製作された。いくら大スターとはいえ、独立プロを設立したばかりの裕次郎さんは資金繰りに頭を悩ませた。結果的に当時最高の興収16億円(現在の約72億円相当)の大ヒットを記録したが、まき子さんは「資金調達の担保になった家を手放さなくて良かった」と胸をなで下ろしたという。

 「つらい時も楽しい時も、お庭には変わらず桜の木があった」とまき子さん。この日、植樹した桜の苗木には「命懸けで映画作りに取り組んだ裕次郎さんのことを、いつまでも忘れないでほしい」との思いを込めた。

 ◆映画「黒部の太陽」 自然厳しい黒部峡谷を切り開き、日本最大級の「黒部ダム」の建設に関わった男たちを描いた大作。68年、石原裕次郎さんが三船敏郎さんと共同で製作。当時、戦後最大のヒットを記録した。「大きなスクリーンで迫力を味わってほしい」という裕次郎さんの意向で長年、DVD化が見送られ、「幻の名作」とも言われた。昨年、全国157か所で東日本大震災の復興支援を目的としたチャリティー上映会が行われ、収益が復興支援のため日本赤十字社に寄付された。

[2013/8/20-06:00 スポーツ報知]

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