できごと【続・留学生が見たリアル中国(3)完】中国人ショック、沖縄「日本でありたい」「台湾は好きだが中国は嫌い」…北京「沖縄帰属」講演会の赤裸々な議論+(3/4ページ)(2013.6.6 07:00

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できごと

【続・留学生が見たリアル中国(3)完】
中国人ショック、沖縄「日本でありたい」「台湾は好きだが中国は嫌い」…北京「沖縄帰属」講演会の赤裸々な議論

2013.6.6 07:00 (3/4ページ)中国
日本ではまず見ない「3人肩組み」で歩く中国の若者たち。沖縄帰属を声高に議論するも、沖縄県民の約9割が中国に悪印象で、逆に8割近くが台湾に好印象との意識調査結果に自尊心が傷つけられているという

日本ではまず見ない「3人肩組み」で歩く中国の若者たち。沖縄帰属を声高に議論するも、沖縄県民の約9割が中国に悪印象で、逆に8割近くが台湾に好印象との意識調査結果に自尊心が傷つけられているという

中国人学生のため息

 講演で沖縄をめぐる歴史的経緯と国際状況を一通り説明した林氏は、結論として「沖縄の帰属について議論すべきだ」とする人民日報の論文については「賛同できない」と述べた。その理由として、沖縄の民意を無視していることや、中国政府が沖縄の帰属について立場を変更したわけではなく、そうした主張は発言者自身を不利にする危険性があることなどを挙げた。

 林氏はいう。「私の17年におよぶ琉球とそのアイデンティティーに関する研究によれば、現在の沖縄社会の主流は、日本にとどまりたいと願っている」。近くの女子学生から「ふーん」と残念さをにじませたため息が漏れた。

 沖縄の「左派の2大地元紙」(林氏)ですら、人民日報の論文を批判していることも紹介された。

 講演後の会場との質疑応答でも、「もしあなたが中国政府の立場なら、琉球の帰属の議論を支持するか」と聞かれた林氏は、「私は支持しない。中国政府の立場がどうなのか説明を迫られるからだ」と述べた。

 ただ、林氏は「学者の議論にタブーがあってはならないが、政府側のメディアがこうした主張をすることは慎重であるべきだ」とする一方で、こうも言う。

 「もし議論するならば、日本にとって致命的なことは何か。あるいは琉球人に支持してもらえることはなにか。1879年に日本が琉球を『併呑』したこと、この正当性の問題についてだ。これは一方的に、武力で、琉球の同意を得ずにやったことだ」

 これを聞くと、林氏が必ずしも真正面から沖縄の帰属についての議論を批判しているとは思えなくなってくる。このあいまいさは、中国という特殊な言論空間で発言する学者にとっての煙幕なのだろうか。

(次ページ)納得せぬ学生・聴衆「日本人、なぜ中華より台湾を好きなのか?」

このニュースの写真

沖縄県の帰属問題についての論文を掲載した中国共産党機関紙、人民日報(共同)
春節を前に店頭に並んだ「釣魚島を愛している」(手前)、「東京大爆発」と書かれた花火のケース=北京(共同)
沖縄県・尖閣諸島の周辺海域を航行する中国の海洋監視船。中国国内では沖縄帰属の議論まで行われている=今年2月(新華社=共同)

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