阪神西岡、初回速攻でＤｅＮＡ叩く

　西岡の第１打席が勝利の道を切り開く。阪神西岡剛内野手（２９）が今日２０日のＤｅＮＡ戦（横浜）から、真夏の長期遠征に初参戦する。左膝痛から戦列復帰後、チームは３戦３勝。勝ち運をもたらしたリードオフマンは「先手をとるのが大事」と必勝法を説く。まずは前回３タテを食らったＤｅＮＡにきっちり仕返し、来週の巨人戦への反撃態勢を整える。

　リードオフマン西岡の１軍復帰で虎が息を吹き返した。本隊合流後、チームは３戦３勝。苦しい戦いが続いていたが、４連勝に伸ばしている。アゲアゲになってきた真夏の陣だが、この日からは横浜、静岡、名古屋、東京を転戦する１１泊１２日に突入。かつては「死のロード」と表現された、夏の長期遠征に初参戦する西岡は表情を緩めずに言う。

　「常に先攻なので、初回から先手をとるのが大事になる。攻めていかないといけない。攻める野球をやっていきたいですね。（長期ロードを）勝ち越して帰って来られればいい」

　ＤｅＮＡ、中日、巨人とのアウェー９番勝負に頼もしい男が加わる。不動の１番打者は１回から全力で先制点を奪いに行く。理想は１７日ヤクルト戦（京セラドーム大阪）だ。初回に中前打を放ち、マートンの適時打で生還。今季の前半戦から何度も見せた得意の攻撃パターンこそ、何よりの強烈な先制パンチになる。西岡が初回安打すれば１５勝６敗２分けと勝率は７割超！　和田監督も期待を寄せる。

　「思ったより動けているね。西岡なんかは（離脱前と）全然、動きが違うからね。ＤｅＮＡにだけ勝ち越していない。甲子園で３タテを食らっているので、選手も覚えているだろうし、期するものがあると思う」

　やられたらやり返せ！　長期ロード後半戦のスタートは猛虎魂が試される。前回対戦の７月２６日からのＤｅＮＡ３連戦（甲子園）は貧打に泣き、３戦でわずか２点しか奪えず。最悪の３連敗。今季対戦も６勝８敗と劣勢だ。下位からの取りこぼしは優勝を狙うためには許されない。特に２２日の３戦目（静岡）は今季５戦４敗、防御率１・４７と抑えられている藤井と対戦予定。「勝率７割男」の西岡がズバッと切り込んで打ち崩したい。

　責任感がある。７月下旬には「阪神に入って初めて死のロードを味わう」と覚悟を固めていたが、長期ロード直前に戦線離脱。西岡にとっては勝負師のプライドをかけた長期遠征だ。首位巨人と６・５ゲーム差にジワリと迫る。前日１８日に自力優勝の可能性も復活。西岡は言う。「相手どうこうじゃなく、自分たちが勝てばいい」。巨人よりも目先の敵だ。まずはキヨシＤｅＮＡへ、強烈な仕返しをもくろむ。【酒井俊作】

　▼阪神が今日２０日も勝ち５連勝とすれば、７月５日広島戦から同１２日ＤｅＮＡ戦まで６連勝して以来、今季４度目。なお８月の長期ロード期間中に５連勝すれば、１０年８月１４日ヤクルト戦から１９日横浜戦に５連勝して以来３年ぶり。

　▼西岡は今季、初回第１打席で７８打数２３安打、打率２割９分５厘と好調。安打の出た２３試合で、阪神は１５勝６敗２分けで勝率７割１分４厘と、リードオフマンに導かれ勝利を重ねている。また安打の出た初回の攻撃で、チームが得点を挙げたのは過半数の１４度。この１４試合で阪神は１１勝３敗、７割８分６厘の高勝率。

　［2013年8月20日11時11分　紙面から］