口座や電話番号を晒す人を「子ども」にしたがる「無責任」な「大人」たち

2013/08/20


家入さんが良いことを言っています。


「子ども」にしたがる「無責任」な人たち

家入さんが旗を振っている「口座晒し」「電話番号晒し」が、「大人」たちから「危険がある」という批判を受けているそうで。それに対する家入さんのコメント。

ロックですねー笑 まったく同感です。別に口座や電話番号晒しても死ぬわけじゃないし、そこまで危険を恐れる必要はないでしょう。


さて、こうした批判者たちが彼らが使う「子ども」という用語は、なかなか興味深いものがあります。

かくいうぼくも、よく「子ども」扱いされます。最近も「イケダハヤトさんの言説なんて、まともな大人は相手にしないよ」と某ブロガーからコメントを頂いたばかりです。あぁ、こういう人たち、虫酸が走りますね。あなたたちのような人が「大人」なら、ぼくはむしろ「子ども」でありたいです。


彼らの用いる「子ども」という語は、「『子ども』は自分の人生について、最良の判断を自分で下すことができない」という前提があるのでしょう。

「子ども」には十分な悟性が備わっていないために、自分にとって「悪い」ことも「よい」ことだと思い込んで、実践してしまう。ゆえに「大人」が「保護」し「教導」してやる必要がある、と。

もっとシンプルにいえば「子どもは心地よい話に騙されてしまう危険がある」と、「大人」たちは考えます。家入さんにまつわる「子ども性」に対する批判も、まさに「話は確かに面白いが、”騙されて”被害を被る人が出てきたらどうするんだ」というリスクに対する忌避を感じます。


しかしながら、この「大人」たちは、決定的な点で傲慢と鈍感に陥っています。

それは「『大人』は常に、『子ども』よりも正しい判断を行うことができる」という確信です。そういう確信があるから、大人は子どもを諭し、導こうとしてしまうのです。

当然、「『大人』は常に、『子ども』よりも正しい判断を行うことができる」と考えるのは、明らかな間違いです。大人の判断が間違っていることは、山のようにあります。

むしろ、総量としては子どもの判断の方が正しいんじゃないかとすら思いますね。うちの娘はまだ9ヶ月ですが、ぼくよりよっぽど正しい判断をしますよ。彼女はよく自分がわかっています。


そもそも、何をもって「正しい判断」とするのかもよくわかりません。

最近経営の分野でいわれる「とりあえず挑戦して、失敗を積み重ねて、方向修正をしていく」というのが「正しい判断」だとしたら、家入さんに煽られ、リスクを承知で口座やら電話番号を晒す人は、「正しい判断」を行っていると考えることもできます。

そう考えると、では、どっちが「大人」なのかもわからなくなります。「傲慢さ」と「頑さ」を鑑みると、「家入に煽られる子どもたちが心配だ〜」と嘆く人の方が「子ども」に見えてきます。

彼らは自分が正しいと思い込んでいるものに固執し、他人を批判しているわけですから。その性質だけ切り出せば、「ほんとうはぼくが正しいんだ!あいつらが違うんだ!」とわめく幼児のようです。言葉と態度は卑怯な「大人」のそれですがね。


最後に、「子ども」が下すリスキーな決断について心配をする「大人」たちは、実は「無責任」であることも指摘しておきましょう。なぜなら、彼らは「心配しかしない」からです。

家入さんを無責任と罵るのは簡単ですが、ぼくの目から見ると、むしろ無責任なのは「心配しかしない大人」です。

彼らは「心配」という振る舞いを通して、責任逃れをしています。もしも口座を晒してトラブルに遭った人が登場したら、彼らは鬼の首を取ったように「そら見ろ!やっぱりリスクがあるじゃないか!やっぱりわたしが正しかったんだ!」と騒ぎ立てることでしょう。

彼らはあくまで「子ども」の判断ミスを指摘し、罵るだけにとどまり、当の子どもに関わることはしません。「事前に注意したじゃないか」という言い訳を、すでに彼らは獲得しているからです。

「心配しかしない大人」と比較すると、電話番号を公開し、「六本木に来てくれれば全然会うよ」と公言している家入さんの方が、よほど大人です。彼は、他人の人生に関わる覚悟をもって、行動をしているわけですから。


というわけで、「あいつらは子どもだから」という批判を繰り出す「大人」には注意しましょう。彼らは、己の判断が常に正しいと考える傲慢で鈍感な人たちであり、さらには無責任です。


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