逆転Vへフル回転指令をうけた藤浪。これからは中5日での登板が増えそうだ(撮影・白鳥恵)【拡大】
次は、聖地で宿敵を追い詰めると、その後は「中5日」での先発プラン。状況によってはブルペン待機もある。打倒G、逆転Vへ、藤浪を前面に押し立てる。
8月は3戦3勝。月間防御率は脅威の0・86。月間MVPの有力候補にもあがる。指揮官も実力だけでなく体力もプロレベルと判断した。もちろん、チームの勝利が優先だ。とはいえ、藤浪は現在、投球回数は「97回1/3」で、規定投球回到達(チームの試合数)も目前。中西投手コーチは「(規定に入れば)防御率1位もあるやろうな。常に7回を投げてくれれば」と後押しも辞さずだ。フル回転で、チームに勝利をもたらせば、おのずと新人王や防御率のタイトルも見えてくる。
「2けた(勝利)は一つの通過点、達成できればいいかなという感じですね。とりあえず次の試合の1勝にこだわりたいです」
19歳とは思えない。言葉にも、投球にも、風格が漂ってきた。首位巨人とは6・5差。奇跡の逆転Vのために虎の命運を託された。 (長友 孝輔)
規定投球回数
プロ野球公式戦で最優秀防御率のタイトルを獲得するために必要となる投球回数。1軍では所属球団の試合数×1・0(2軍は試合数×0・8)が必要で、シーズン終了時に144イニングを投げていなければならない。
(紙面から)