代えのきかない選手であることを証明した。復帰後3連勝。明らかにチームの、ベンチのムードが変わった。阪神・西岡が変えた。G猛追の下地を整えて、再び出向くロード街道。虎が誇るリードオフマンの頭脳には、すでに戦略が描かれている。
「戦い方は先攻なので、常に先手を取ることが大事。守りに入るのではなく、攻める野球をやりたい」
攻める-。鍵を握るのは、もちろん背番号7だ。左ひざ痛での離脱から16日のヤクルト戦(京セラD)で復帰し、3試合すべてで安打を記録。前日18日の同戦ではタイムリーも放った。
西岡が一回先頭で安打を記録した23試合は、ここまで15勝6敗2分け。いかにチームを活気づけるかを、顕著に表わしているデータだ。
この日、横浜入りした和田監督も「西岡は(離脱前と)まったく動きがちがう」と完全復活を確信。頼もしい1番に、ほおを緩めた。
首位巨人とは、まだ6・5差。前日18日にマジックを消滅させたが、厳しい状況に変わりはない。だが、宿敵の戦いは3カード先の27日からだ。まずは、敵地でDeNA、中日をたたく。
「それ(巨人)を意識してやっているわけではない。勝っていれば、おのずと差は縮まる。負けては縮まらないんだから」
どこに勝っても1勝は同じ。ロッテ時代にリーグ優勝を経験している西岡が示したG追撃の2本軸。これが功を奏せば…。首位の背中は、手が届くところに来ると信じている。(栃山 直樹)
(紙面から)