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【スポーツ】

前橋育英ミラクル4強 9回2死から同点、10回サヨナラ

2013年8月20日 紙面から

常総学院−前橋育英 10回裏前橋育英1死二、三塁、サヨナラタイムリーを放ち喜ぶ土谷=甲子園球場で(岡本沙樹撮影)

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◇全国高校野球選手権<第12日> 前橋育英3−2常総学院

 初出場の前橋育英(群馬)が劇的勝利で4強進出を決めた。9回2死走者なしから同点に追いつき、延長10回にサヨナラで常総学院(茨城)に勝った。延岡学園(宮崎)も富山第一に延長11回サヨナラ勝ち。花巻東(岩手)は5−4で鳴門(徳島)に勝ち、2009年以来4年ぶりの4強入り。日大山形は4−3で明徳義塾(高知)を破り県勢初の準決勝進出。東北勢の4強2校は24年ぶり。アルプス席に岩手を舞台にしたNHK連続テレビ小説「あまちゃん」のオープンニングテーマも流れる今夏、東北勢が「じぇじぇじぇ」な快進撃だ。

 中前で打球が弾むと、ベンチから前橋育英ナインが飛び出した。延長10回1死二、三塁、土谷の中前打でサヨナラ勝ち。夏の甲子園初出場で初のベスト4進出を決めた一戦は、実にミラクルで劇的。9回2死走者なしから2点差を追いつき、延長戦を制した。「正直驚いてる。こんな展開になるとは思わなかった。選手たちは不思議な力を持っているのかな」。荒井直樹監督(48)はナインの粘りをたたえた。

 9回に同点打を放ったのは3完投、自責点ゼロでチームを引っ張ってきた2年生エース・高橋光成(こうな)投手。この回の攻撃前、常総学院の飯田が右足にけいれんを起こし2球で降板。それでも2死走者なしと追い込まれたが、ここでドラマが起こった。小川は二塁正面へのゴロ。万事休すと思いきや、二塁手がお手玉して出塁。板垣がつないだチャンスで、高橋光が右中間への同点三塁打を放った。

 運もあったが、その運を結果に変えたのは実力だ。2点リードされた6回から救援登板。5イニングで10三振を奪って流れを呼び込んだ。投打で劇的勝利に導いた右腕は「絶対負けないという強い気持ちだけでいった。4強なんて信じられない」と、無邪気に大喜びした。

 苦しいマウンドだった。連日35度を超える酷暑の中での連投で右肘に張りが出ており6回は直球が130キロ台半ば。「思いっきり投げても球速が全然出なかった」。だが7回2死満塁の打席で空振り三振すると、悔しさからか直後の8回は急に球威がアップ。2死満塁で相手エース・飯田に打席が回ると、この日最速の145キロ直球で見逃し三振に仕留めた。

 4強に残った高校は、どこが勝っても甲子園初優勝のフレッシュな顔触れ。「ここまで来たら優勝したい」。この勢いで、一気に頂点に駆け上がる。 (竹村和佳子)

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