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花火大会爆発事故 気化したガソリンが原因か

京都府福知山市の花火大会会場で見つかったものと同じサイズとみられる携行缶
京都府福知山市の花火大会会場で見つかったものと同じサイズとみられる携行缶。左上にあるのが内部の圧力を調整するねじ
Photo By 共同 

 京都府福知山市の花火大会での露店爆発事故で、ベビーカステラ店の男性店主(38)が携行缶から発電機に給油する際、気化したり空気中に噴出したりしたガソリンに鉄板の火が引火し、1回目の爆発が起きた可能性が高いことが19日、京都府警の調べで分かった。ガソリンは氷点下でも気化するほど揮発性が高く、静電気で簡単に引火。セルフスタンドで給油する際など細心の注意が必要で、決して人ごとではない事故だ。

 府警は当初「店の鉄板の方から火が(携行缶に)逆流してきた」という目撃証言があったため、最初の爆発は携行缶に引火したのが原因とみていた。しかし、爆発で「炎が高く立ち上がった」という別の証言が得られたため、携行缶ではなく空気中に漂ったガソリンへの引火によるものとの見方を強めた。

 ガソリンは車のほか、自家発電機、草刈り機、トラクター、チェーンソーなど日常生活の身近な燃料として使われる。ただ揮発性が高いことはあまり知られていない。

 総務省消防庁によると、ガソリンは氷点下でも気化し、灯油や軽油に比べ格段に火が付きやすい。消防法や関連規則では、灯油の運搬に使われるポリタンクにガソリンを入れることは禁止。基準に適合した金属製の携行缶を使うよう定められている。同庁危険物保安室の担当者は「目に見える火種がなくても静電気に引火することがある」と指摘する。

 事故現場で見つかったのと同じサイズとみられる携行缶を大阪市内のガソリンスタンドに持ち込んでみたところ、危険物取扱者の資格を持つ男性店員が対応。携行缶の説明書には「ねじを緩めてからふたを開けてください」の注意書きがあり、店員は「ねじは緩めるのも締めるのも忘れずに。どちらも危険です」と話し、慎重にガソリンを注いだ。

 数分後、携行缶から車に給油しようとねじを緩めると「プシュー」という音とともにガソリンの臭いが広がった。「わずかな時間でもこれだけ気化します」と店員。「ペットボトルへの給油を求められることもあり、ガソリンの危険性について意識の低い人が多い。今回も偶然とは思えない」と言う。

 実は危険と隣り合わせのガソリン。消防庁のホームページには、セルフスタンドで静電気除去シートに触らずに給油し、給油口から発火する衝撃映像も公開されている。東日本大震災後、携行缶にガソリンを保管する家庭も増えており、取り扱いには細心の注意が必要だ。

[ 2013年8月20日 06:00 ]

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