ヘルマンのタックルが決まり、楽天は２戦連続サヨナラ負け

　楽天が１８日の西武戦（西武ドーム）に１１―１２で連夜のサヨナラ負け。２位・ロッテとは４・５ゲーム差に縮まった。同点の８回にマギーの２１号３ランで勝ち越しながら、守護神・ラズナーが炎上して３点差をひっくり返される最悪の展開だったが、星野監督は「だから何や！　これが野球。しようがない」。バスの最前席に座るなり、足元の収納ボックスを蹴り上げて悔しさをあらわにしたが、意外なほどチームに悲壮感はない。

　２試合連続のサヨナラ負けには、ある共通点があった。連日とも決勝の走者が二塁にいたにもかかわらず、外野は前進守備を敷いていなかったのだ。この点についてチーム関係者は「今の外野のスタメンは経験が浅い。終盤に向けて修羅場を経験させるのが狙い」と説明する。まるで“わざとバックホームする状況を作った”と言わんばかりだ。

　何とも謎めいた説明だが、闘将は８月に入ってから「チーム内に競争がないとアカン」と外野陣の強化に努めてきた。これまでは聖沢、牧田、鉄平とメンバーも固定されていたが、７月３０日の西武戦（盛岡）を最後に中堅・聖沢をスタメンから外し、捕手登録だった岡島を起用。鉄平を二軍に落とすなど“荒療治”に出た。結果的に現在は枡田、島内、岡島、牧田、聖沢、森山と６人の外野手を一軍に登録。試合経験を積ませることに成功している。

　この２試合はいずれも右翼・岡島が二塁走者を刺せずにサヨナラ負けとなったが、それでも指揮官は「経験させるためにどんどん使っていく」と引き続きの起用を明言した。結果は２カード連続負け越しながら方針にブレはない。チームに動揺が広がらないのには、そんな事情もあるようだ。