7、8月は国内、海外で日本人選手のボクシング世界戦ラッシュ。日本ボクシングコミッション(JBC)がWBOとIBFを承認し、日本が世界主要4団体制となって半年。その動きが本格化したようだ。
しかし、その内容はさまざま。防衛戦に決定戦、さらに暫定王座決定戦に暫定王座防衛戦。これに女子の4団体世界戦もある。にぎやかさに華やかさが加わって結構なことだ。「選手に世界へのチャンスが増えるのはいいこと」が業界の考えで、団体多様化による実力の低下などリスクには口をつぐんでいる。
JBCは王座の乱立を恐れ、主要4団体宣言と平行してWBC世界ユース王座の未承認を発表し、新たなタイトル戦は認めないとした。それなのに、今でも公然と行われ、7月には名古屋でバンタム級の王座決定戦が行われた。JBCの統率力と権威が失墜したいい例だ。
その一方で、日本ボクシング連盟がプロによる引き抜き防止を打ち出し、独自のプロ組織「AIBA」に力を入れ出している。AIBAに「五輪」は錦の御旗。JBCにとって強力なライバルの出現は、日本のボクシング界にどんな影響を与えるか。 (格闘技評論家)
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