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スーパーIT灘高生が、大好きな日本を救う

東洋経済オンライン 8月19日(月)9時30分配信

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 「なんでオレ、ペーパー試験の点数だけで判断されなあかんねん。これまで勉強以外のこともいろいろやってきたのに、それがまったく評価されないのは納得いかない。ふざけんなって感じ」

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 これは落ちこぼれの不良少年が教師に反抗して吐いた言葉ではない。関西屈指の名門、灘校で東大理Iを狙える成績の優良少年が、「なぜ東大を受験しないのか? 」と聞かれて答えた言葉である。

 東大を“蹴った”のは高3のTehu(テフ)君。「スーパーIT高校生」の異名を持つ。初めて会った人は、まず背の高さに驚くだろう。大リーガーのダルビッシュ有と同じ196センチ。体重、誕生日まで一緒だ。ダルはイラン人と日本人のハーフだが、テフは両親とも中国人。本名は張惺(ちょう・さとる)。「ちょう→蝶→てふ」だからハンドルネームがTehu。

 Tehu君が勉強以外にやってきた「いろいろ」とは何なのか。

■ 「なだいろクローバーZ」がネットで話題に

 現在の肩書きは、デジタルクリエーター、プログラマー、プロデューサー、パーソナリティーだ。アイドルが好きで、「ももいろクローバーZの百田夏菜子推し」。今年5月の灘校文化祭では、灘高生による「なだいろクローバーZ」を企画プロデュースした。この女装男子5人組アイドルは、ネット上でも「クオリティーが高い」「ピンクが可愛すぎる」と話題になった。

 「なだクロは、ももクロを完全にパクッてます。衣裳もパクッてます。あいつら、これのために全身脱毛してますから。正直、気持ち悪いなあと思いながら、一晩かけてPV(プロモーションビデオ)を作りました(笑)」

 ももいろ、なだいろ、たしかに「いろいろ」だが、もちろん活動はこれだけではない。Tehu君の人生を追ってみよう。

 1995年、阪神淡路大震災の年に神戸で生まれた。震災の1カ月前、母親のお腹にいる時に、両親が「子育てのために」と引っ越した。それまで住んでいたアパートは全壊。新居で7カ月後に誕生する。

 教育熱心な親のもと、「おまえは灘に入って医者になれ」と言われて育ち、小学4年生から受験勉強をして灘中学に合格した。

 入ってすぐに化学、物理学の研究系に進みたいと思った。「医者にはなりません」と親に告げると、「そうか」とあっさり認めてくれた。「でも、ちゃんと稼げよ」「はい、大丈夫です」。親の期待から解き放たれたTehu君の飛行が、ここから始まる。

 研究の道を志したものの、隣の席に大学の物理の問題集を解いている生徒がいた。彼はのちに物理オリンピックで金メダルを取る。のちの化学オリンピックや数学オリンピックのメダリストもいた。「こいつらには勝てんわ」と早々に悟り、研究の道はあきらめた。

■ 灘で埋もれないためにどうする? 

 「飛び抜けた天才がごろごろいる灘で埋もれないためにはどうしたらいいのか…。自分にしかできないことをしたい」。2歳から触っていたコンピュータで何かしようと考え、プログラミングを独学で習得する。

 2009年、中学2年生の時にiPhoneアプリ「健康計算機」を3時間で作って公開したところ、180万ダウンロードを記録、AppStoreで世界第3位となった。まだアプリの数自体が少なかった頃だ。雑誌やテレビで取り上げられ、「スーパーIT中学生」と呼ばれるようになる。

 このアプリを作ったきっかけは、学校の健康診断で「少しやせたほうがいい」と忠告されたから。自分のためにBMI(肥満度)を簡単に計算できるアプリを作ったのだった。

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最終更新:8月19日(月)23時15分

東洋経済オンライン

 

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