'13/8/18
敗訴確定時に賠償の意向 韓国の徴用工訴訟で新日鉄住金
朝鮮半島が日本の植民地だった時代に徴用され強制労働させられたとして韓国人4人が損害賠償を求めた訴訟で、被告の新日鉄住金(旧新日本製鉄)は韓国最高裁で敗訴が確定した場合には賠償に応じる意向であることを18日、明らかにした。
日本政府は、1965年の日韓請求権協定で韓国人の個人請求権問題は消滅したとの立場から「完全、最終的に解決済み」としている。新日鉄住金の方針は民事訴訟とはいえ政府判断と異なり、半世紀近く続いた日韓両国の戦後補償処理に影響を与える可能性がある。
ソウル高裁は、7月10日に韓国人4人に請求通り計4億ウォン(約3500万円)の支払いを命じる判決を出した。戦後補償問題で韓国の裁判所が日本企業に賠償を命じた初めての判決。新日鉄住金は判決を不服として最高裁に上告したが、判断が覆る可能性は低いとみられている。同社は「最高裁で敗訴が確定した場合は、世界規模で事業展開する企業として賠償に応じざるを得ない」としている。
新日鉄住金は、個人請求問題に対する政府判断に基づき最高裁判決前の和解には応じない方針だ。一方、最高裁で敗訴が確定した場合に賠償を拒めば、韓国内の資産の差し押さえなど強制執行に踏み切られる可能性が高いため、賠償に応じる。