米国債:続落、2年ぶり高利回り-FOMC議事録に注目
8月19日(ブルームバーグ):米国債相場は続落。米金融当局が債券購入プログラムの縮小に踏み切るタイミングを見極めようと、市場は今週発表の前回連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録に注目している。
10年債利回りは2011年7月以来の高水準を付けた。今週後半に各国の中央銀行当局者や政策担当者らが一堂に会す、ワイオミング州ジャクソンホールの会合も注目されている。ブルームバーグが先週発表したアナリスト調査では緩和縮小の第一歩は9月に踏み出され、当初は月間の購入額を100億ドル減額して750億ドルになるというのが予想中央値となっている。7月30-31日に開催されたFOMC議事録は21日に公表される。
キャンター・フィッツジェラルドの金利ストラテジスト、ジャスティン・レデラー氏(ニューヨーク在勤)は「価格がちょっと上向くとすぐ売りが出る」と指摘。「9月縮小の感触はさらに強まっている」と続けた。
ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間午後4時59分現在、10年債利回り は6ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.88%。同年債(表面利率2.5%、2023年8月償還)価格は15/32下げて96 23/32。利回りは一時、2.9%まで上昇した。
相場のモメンタムを測る指数に基づくと、米国債は売られ過ぎの状態にある。10年債利回りの相対力指数 (RSI、14日)は70の節目を超えている。最後にこの水準を上回っていたのは7月5日。相場はその後2週間にわたって上昇局面を迎えた。
「利回りはじりじり上昇」USバンコープ傘下のUSバンク・ウェルス・マネジメントの債券ストラテジスト、ダン・ヘックマン氏(ミズーリ州カンザスシティー在勤)は「緩和縮小について当局から何も発表されていないことが不透明感を生み、状況が把握できるまで長期債を中心に利回りがじりじり上昇する状況を作り出している」と述べた。
バーナンキ議長率いるFOMCは、米連邦準備制度理事会(FRB)のバランスシートを過去最大の3兆5900億ドルに膨張させた大規模債券購入をどのように終わらせるか検討している。ブルームバーグが9-13日にまとめたエコノミスト48人の調査では、2014年半ばには購入プログラムを終了するというのが予想中央値となっている。
次回FOMCは9月17-18日に予定されている。
CIBCワールド・マーケッツのマネジングディレクター兼米国債トレーディング責任者、トム・トゥッチ氏(ニューヨーク在勤)は「戦いのルールが不明な状況では、市場は小浮動を続けるだろう。当局の意図が分かるまでは、誰も市場に深くかかわりたくない」と述べた。
サマーズ氏有力21日には7月の中古住宅販売件数も発表される。エコノミストの予想中央値は年率515万戸への増加。
先週の市場で米国債相場が下落した背景には、次期FRB議長ポストにイエレン現副議長よりもラリー・サマーズ元財務長官の方が有力だという見方もあった。
ジェフリーズの金融担当チーフエコノミスト、ウォード・マッカーシー氏は16日付のリポートで、「サマーズ氏が優勢を強めているとの見方は、緩和縮小をめぐる思惑の高まりと同様に最近の債券・株式市場を圧迫している」と分析した。
原題:Treasury Yields Rise to 2-Year High Before Fed MinutesRelease(抜粋)
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更新日時: 2013/08/20 06:40 JST