福島第1原発:毎時100ミリシーベルトの水たまり
毎日新聞 2013年08月19日 21時16分(最終更新 08月20日 00時44分)
◇タンクから高線量の汚染水漏れか
東京電力は19日、福島第1原発の原子炉の冷却に使用した汚染水を貯蔵するタンク付近で把握できた分だけで120リットルの水たまりが見つかり、毎時100ミリシーベルトという高い放射線量が計測されたと発表した。タンクから漏れた可能性が高いとみている。
原子力規制委員会は同日、原発事故の国際評価尺度(INES)でレベル1(逸脱)に相当すると暫定評価。東電に漏えい場所の特定や周辺のモニタリング強化、海洋流出した可能性の調査などを指示した。
東電によると、同日午前9時50分ごろ、東電社員が、タンク周辺に設置してあるコンクリート製のせきの排水弁から、水が流れているのを発見。調べたところ、せきの外側に、縦横3メートル、深さ1センチ(90リットル)と、縦50センチ、横6メートル、深さ1センチ(30リットル)の水たまりができていた。放射線量は水たまりの表面から約50センチ上で計測した。
せきの内側にも水たまりができており、東電はここにたまっていた水が、排水弁を通じて外へ漏れ出したとみている。
東電は「漏れを確認したところで弁を閉めた。一般の排水溝などに流れている形跡はなく、海への流出はない」としている。せきの内側の汚染水を処理した上で、漏えい場所の特定を急ぐ。【渡辺諒】