安倍首相、紛争地の性被害者支援で慰安婦批判かわす狙い

慰安婦強制動員否定もカネで女性の人権買おうという安倍首相
国際的非難広がるや「性暴力被害国連基金支援」

 旧日本軍が従軍慰安婦を強制動員した証拠はないと主張し、国際的な批判を受けた安倍晋三首相が、紛争地域の性暴力被害女性を支援するなど「日本=人権重視の国」というイメージ転換に乗り出した。

 安倍首相は米国ニューヨークで来月行う国連総会演説で、国連女性機関(UN Women)が運営する紛争地域の性暴力被害者支援基金に日本政府が資金拠出することに言及する、と18日付の産経新聞が報じた。

 日本政府はこれに関し、来年度予算案に関連基金への資金拠出を計上する方針だ。国連女性機関は2010年に国連の女性関連4機関が統廃合して設立されたもので、女性に対する暴力撤廃信託基金などを通じ、女性支援事業を行っている。安倍首相は国連総会演説で、日本の女性・人権政策にも言及する予定だという。

 これは、旧日本軍によって強制動員された従軍慰安婦問題に関連し、日本に対する国際的な非難が広がっていることに対する対応策とみられる。また、日本の市民団体などが8月14日の「慰安婦メモリアルデー」を国連記念日にしようという運動を展開していることへの対抗という見方もある。産経新聞は「日本は慰安婦問題をきっかけに『女性の人権を軽視する国』との誤解を受けることが多く、国際社会に未来志向で人権重視の姿勢をアピールする狙いがある」と伝えている。同紙は安倍首相が普段から周囲に「日本ほど人権を大切にしてきた国はない」と語っていることにも触れている。

 さらに、日本政府は1990年代に民間の募金などを通じ「アジア女性基金」を設置し、元慰安婦に金銭的な支援をしてきたということについても、国際的に広報活動を強化していく方針だ。韓国の元慰安婦たちは当時、日本政府による直接賠償を要求し、アジア女性基金の受け取りを拒否した。

東京=車学峰(チャ・ハクポン)特派員
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