本文の先頭へ
LNJ Logo 柏村議員のNHK介入発言に抗議する賛同署名を!
Home 検索
 




User Guest
ログイン
情報提供
News Item 1150980592164st...
Status: published
View


「柏村武昭議員のNHK介入発言に抗議し、発言の撤回・訂正 を求める申し入れ」への賛同署名のお願い                     2006年6月21日

去る6月15日、自民党の柏村武昭議員は参議院総務委員会でのNHK決算に関する質 問のなかで、NHKに対して国旗・国歌の放映を執拗に求め、また「日の丸・君が代」 を めぐる東京都教育委員会と教育現場の対立を描いた「クローズアップ現代・国旗・国 歌・卒業式で何が起きているのか」(2005年3月28日放送)を取り上げてNHKを「偏 向」呼ばわりするなど、放送内容に立ち入った発言を繰り広げました。 もともと、これらの放送内容はNHKが自主・自律の立場で決めるべき事柄で、政権与 党をバックにしたこうした質問は、国会質問に名を借りたNHKへの政治介入であっ て、憲法が保障した表現の自由と放送法第3条に抵触する権限濫用行為といわざるを えません。このことは、去る3月30日、同じ参議院総務委員会で自民党の山本順三 議員が、VAWW-NET裁判の東京高裁法廷でNHK側の主張と異なる証言をした永田浩三 チーフ・プロデューサーに対して人事上の処分をNHK会長に迫ったことと軌を一にし ており、NHKへの統制を強め、国策宣伝に動員していこうとする政府・与党の意図を 露骨に示したものにほかなりません。 これに対して、私たちは別紙のように柏村議員に厳重に抗議するとともに、発言の撤 回ないしは訂正を申し入れます。またNHKに対しては、不当な政治介入に毅然として 対処し、「国会で予算と事業計画の承認を得るにあたっても自主自律の態度を貫く」 (3ヵ年計画、新放送ガイドライン)立場を堅持するよう、あわせて強く要請しま す。 つきましては、この申し入れ書の趣旨に広く視聴者・市民の皆様から賛同署名をいた だき、署名簿を添えて連名で申し入れを行いたいと存じます。緊急の取り組みで時間 的余裕がありませんが、こうした政治介入を常態化させないためにも緊急に声を上げ たいと思います。なにとぞご協力をよろしくお願い申し上げます。

呼びかけ人一同 (名簿は「申し入れ書」の末尾に掲載しています。)                  賛同署名の送付先  電子メールの場合:http://www.geocities.jp/hoso_katarukai/』(「広場」欄)           または、           shiharaiteishi@yahoo.co.jp  へ送信下さい。  署名用紙の場合:048−873−3520 へFAXで用紙をお送り下さい。

 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

2006年6月○日

参議院議員
柏村武昭 様

国会審議に名を借りた柏村武昭議員のNHKに対する政治介入発言に 抗議し、発言の撤回・訂正を求める申し入れ書

 柏村議員は、さる6月15日に開かれた参議院総務委員会におけるNHK決算に関す る質問のなかで、国旗・国歌に関するNHKの放映問題と東京都における国旗・国歌の 強制をテーマにした「クローズアップ現代」(2005年3月28日放送)を取り上げ、NHK の放送内容に立ち入った発言を繰り広げました。こうした質問は、以下に説明すると おり、国会審議に名を借りたNHKに対する重大な政治介入です。 これに対し、私たちは、別紙の賛同者名簿を添え、以下のとおり、柏村議員に厳重に 抗議するとともに、発言の撤回ないしは訂正を申し入れます。この申し入れ書に対す る貴職のご回答を、発言の撤回・訂正についての対応も含め、○月○日までに文書で 後掲の住所まで郵送くださるよう要請します。

1.憲法、放送法に違反する国旗・国歌の放映の強要

国旗・国歌を放送番組編集の中でどう扱うかはNHKが公共放送の使命を踏まえて自主 自律の立場で判断する問題です。この点は、NHKが国営放送でない以上、国旗・国歌 が法制化されたからといって、いささかも変化するものではありません。
 にもかかわらず、柏村議員が質問の中で、トリノ・オリンピックや日本ダービーの 放送場面などを例に挙げて、国旗・国歌の放映をNHKに強要する発言を行ったこと は、表現の自由を定めた憲法第21条第1項(「集会、結社及び言論、出版その他一切 の表現の自由は、これを保障する」)、ならびに放送番組編集の自由を定めた放送法 第3条(「放送番組は、法律に定める権限に基づく場合でなければ、何人からも干渉 され、又は規律されることがない」)に反する違法な言動であり、断じて許されませ ん。直ちに該当部分の発言を撤回するよう要求します。

2.東京都教育委員会による国旗・国歌強制教育の現実をねじ曲げた言動

 柏村議員は質問の中で、昨年3月28日にNHK「クローズアップ現代」で放送された <国旗国歌・卒業式で何が起きているか>についてNHKが都教委から抗議を受けた問 題を取り上げ、抗議を受けたのは「東京都の教育委員会が教員に国旗掲揚、国歌斉唱 を強制していると印象付ける編集内容であったからだと私は思います」(参議院記録 部、未定稿速記録より)と発言しました。 このように発言されるということは、柏村議員が国旗・国歌に関する都教委の行政は 強制ではないと強弁しようとされたものと受け取れますが、これこそ故意か無意識か は別にして、東京都の教育現場の実態に関する無知をさらけ出したものです。
 2006年5月26日現在で東京都では国歌斉唱時に起立しなかったことを理由に停職・ 戒告・減給等の処分を受けた教員は345人に上っています。また、本年3月16日の都議 会で都の中村正彦教育長は国旗掲揚・国歌斉唱時に生徒が起立斉唱しない場合、その 指導上の責任を教師に問うて研修命令を含めた処分の対象にすると明言しました。こ れは国旗・国歌を踏み絵にして内心の自由を侵犯する強制以外の何物でもありませ ん。国会審議の場で柏村議員がこうした実態をねじ曲げた発言をしたことに厳重に抗 議するとともに、この発言部分を訂正するよう要求します。

3.公共放送の使命に関する無理解と曲解

 柏村議員は上記の「クローズアップ現代」に関する質問の中で、放送法第3条の2で 定められた「政治的に公平であること」、「報道は事実をまげないですること」、 「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにす ること」を引き合いに出し、NHKにこれらの原則を守るよう迫っています。しかし、 今回の柏村議員の質問内容に照らせば、以下で説明するとおり、柏村議員こそ、これ らの原則の趣旨を正確に理解し、これらの原則の精神をわきまえるべき当事者である ことが判明します。

 (1)「政治的に公平であること」について
 柏村議員は「クローズアップ現代」が都教委から抗議を受けたこと自体が問題で あったかのような発言を繰り返しました。しかし、報道機関の取材源秘匿をめぐっ て、さる6月14日に言い渡された東京高裁判決を引くまでもなく、報道機関の使命は 国か地方かを問わず、市民が政治に参加するにあたって有用な判断材料を提供し、市 民の知る権利に奉仕する点にあります。報道機関がこの使命を果たすには、取材や番 組制作にあたって、公権力の価値判断から自立した姿勢を維持すべきことは当然で す。したがって、NHKが都教委から抗議を受けたことを以って、あたかも政治的に公 平でない番組を放送したかのように言い立てる柏村議員の言動は、同議員が「公正、 公平」の解釈は公権力の専権事項であるかのようにみなす前近代的な国家主義的公共 観に染まっていることを反証するものです。

 (2)「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明 らかにすること」について
 柏村議員は、質問の中で、「国歌・国旗はもう法律までなっているわけですから ね。法律までなってて、国の誇りですよ、旗も、歌も。そうすると、やっぱりそれを 助長するような責務があるんじゃないでしょうかね、NHKは、公共放送としてはです よ」と発言しています。こうした前提に立って、国旗・国歌をめぐって都教委と学校 現場の対立の実態を伝えた番組の放送を「偏見を植え付けようとするもの」と非難し ています。
 しかし、国旗・国歌については、法制化の時点でも世論は二分していました(『朝 日新聞』が1999年6月27、28日に行った世論調査によれば、日の丸の法制化に賛成は 59%、君が代の法制化に賛成は47%、反対は45%)。法制化後も、『朝日新聞』が 2005年6月の東京都議選のときに行った世論調査では、君が代斉唱時に起立しなかっ たことを理由に教師を処分する都教委の方針に反対が61%で賛成28%の2倍強になっ ています。支持政党別でも柏村議員が所属する自民党支持層ですら賛成49%、反対41 %と賛否は接近しています。
 こうした世論の推移から見て、「クローズアップ現代」が都教委の方針に反対する 学校現場の声を伝えたことは、「意見が対立している問題については、できるだけ多 くの角度から論点を明らかにする」という放送法第3条の2の原則に照らして当然の ことであったといえます。これを「偏見」と決め付ける柏村議員の言動こそ、事実を 曲げ、公正・公平の解釈を誤った「偏見」といわなければなりません。

4.特定の理事を名指しした露骨な政治的威圧

 柏村議員は質問のなかで、「自主自律をいつも強調されていらっしゃる永井副会長 さんから、NHKの国歌・国旗に対する明確な御見解をどうぞ」と発言しました。こう した発言は、憲法・放送法が保障した言論報道機関NHKの自主自律の問題を特定の理 事個人の見解と結び付けて論じようとするものです。国旗・国歌に関するNHKの見解 を国家政策への同調を強要する文脈のもとで、特定の副会長を名指しして答弁を求め るのは特定の理事に対する政治的威圧と受け取られても致し方ありません。
 こうした発言が国会での質問に名を借りて行われたことは、NHKの番組編集に対す る露骨な政治介入であるばかりでなく、NHKの経営に対する悪質な牽制・干渉でもあ ります。
私たちは以上のことに強く抗議するとともに、該当部分の発言の撤回を求めるもので す。
以上

柏村発言への申し入れ書:呼びかけ人名簿
(五十音順:敬称略)

呼びかけ人代表(23名)
池田幹子(小弥(「君が代」処分を考える会〔東京〕)、岩崎 稔(東京外国語大学 教員、「メディアの危機を訴える市民ネットワーク」事務局)、岡本 厚(「世界」 編集長)、片山むぎほ(「日の丸・君が代」強制反対予防訴訟をすすめる会・事務局 長)、桂 敬一(日本ジャーナリスト会議会員/立正大学文学部講師)、小滝一志 (放送を語る会・事務局長)、近藤 徹(「日の丸・君が代」不当処分撤回を求める 被処分者の会・事務局長)、崔 善愛(ピアニスト)、東海林路得子(団体職員)、 醍醐 聰(東京大学教員/NHK受信料支払い停止運動の会・共同代表)、田島泰彦 (上智大学教員)、俵 義文(子どもと教科書全国ネット21事務局長)、中野敏男 (東京外国語大学教員、「メディアの危機を訴える市民ネットワーク」事務局)、西 野瑠美子(フリー・ジャーナリスト)、野中章弘(ジャーナリスト/「放送の公共性 の<いま>を考える全国連絡協議会」世話人)、服部孝章(立教大学教員)、平松辰 雄(「君が代」解雇裁判を共に進める会・代表)、福島博子(三鷹市民)、細井明美 (NHK受信料支払い停止運動の会・共同代表)、松田 浩(ジャーナリズム研究 者)、宮村 博(「日の丸・君が代」強制反対予防訴訟をすすめる会・代表)、吉田 俊実(東京工科大学教員、「メディアの危機を訴える市民ネットワーク」事務局)、 李 孝徳(東京外国語大学教員、『前夜』編集委員)

呼びかけ人(70名)
合澤清(現代史研究会)、青崎百合雄(へいわとふくしを見つめる会世話人)、新井  治、新井史子(「日の丸・君が代」強制反対・「嘱託不採用撤回裁判」原告)、石 下直子、石丸 朗(会社員)、岩崎貞明(「放送レポート」編集長」)、宇田川順 子、江尻美穂子(津田塾大学名誉教授/女性「九条の会」世話人)、遠藤良子、大畑 豊(非暴力平和隊・日本)、大道万里子(編集者)、岡本棟守(茅ヶ崎9の日スタン ディング)、岡山輝明、勝守真知子(「学校に自由の風を!」ネットワーク)、川島 京子、岸田静枝、北村 肇(「週刊金曜日」編集長)、木村まり、洪美珍(市民)、 金 信明(高校教員)、櫛田 稔(民放労連東海地連・元委員長・現在顧問)、くま がいマキ(劇作家)、倉本頼一(NHK問題京都連絡会事務局)、黒瀬勉(教員)、 黒田貴史(学校に対する君が代斉唱、日の丸掲揚の強制に憂慮する会)、小島昌夫 (元都立高校教員、元女子美術大学教授)、小林 裕、小林義明(マスコミ九条の会 HP編集室)、古茂田宏(一橋大学教員)、小山ユウ子(東京の教育破壊を考える 会)、近藤光男(被解雇者の会)、近藤義臣(群馬大学教員)、斎藤貴男(ジャーナ リスト)、佐藤美和子(ピースリボン裁判原告)、杉尾健太郎(弁護士)、杉山百合 子、鈴木加代子、高橋邦夫(映演労連委員長)、高橋峰子(埼玉県人/イラク派兵違 憲訴訟の会・東京)、滝口優子、竹森真紀(学校現場に内心の自由を求め、「君が 代」強制を憲法に問う裁判=北九州ココロ裁判原告)、田中よしお(文字を問い合わ せ中)、谷森櫻子・谷森正之(性と子育てを考える会)、坪根信幸、東本久子(子ど もと教科書全国ネット21常任運営委員)、中川賢俊、中山靖子、七尾寿子(NHK問 題札幌連絡会)、西村恵子(学校に自由の風を!ネットワーク)、西村千津(NHK 問題京都連絡会事務局)、宜保幸男(沖縄護憲・平和民主教育懇談会)、長谷川長昭 (NHK問題京都連絡会事務局)、花房恵美子(NHK番組改ざんを考える市民の 会)、林 香里(東京大学教員)、林 明雄、藤森洋子(府中市民)、渕田芳孝、古 荘斗糸子(うちなんちゅの怒りとともに!三多摩市民の会)、古荘暉(日野市民)、 星野直之(被処分者の会・共同代表)、丸山重威(関東学院大学教授)、皆川学(放 送プロデューサー)、宮坂明史(「日の丸・君が代」強制反対・「嘱託不採用撤回裁 判」原告代表)、山中 章(三重大学教員)、山田昭次(立教大学元教員、学校に対す る君が代斉唱・日の丸掲揚の強制に憂慮する会共同代表)、湯山哲守(京都大学教 員)、横田満男(小金井市民)、和田悌二(編集者)、渡辺 力 


Created by staff01 and Staff. Last modified on 2006-06-22 23:21:59 Copyright: Default

このページの先頭に戻る

レイバーネット日本 / このサイトに関する連絡は <staff@labornetjp.org> 宛にお願いします。 サイトの記事利用について