それから随分と年月が経って、男の子は再び木のところへやってきました。

『ごめんなさい、ぼうや』
木は言いました。
『あなたにあげられるものがもう何もない。』

『りんご達も無くなってしまった。』

「僕の歯はりんごを噛むには弱すぎるよ。」
男の子は言いました。

『枝も無くなってしまった。もうぶら下がらせてあげられない。』

「僕は枝にぶら下がるには年をとり過ぎているよ。」
男の子は言いました。

『幹も無くなってしまった。もう登らせて‥』

「僕は木登りをするには疲れ過ぎてしまったよ。」
男の子は言いました。
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