中国残留孤児:高齢者、生活苦しく墓建たぬ

毎日新聞 2013年08月17日 12時32分(最終更新 08月17日 15時41分)

 日本に永住帰国した中国残留孤児。高齢化が進むが、墓を個人で用意できない状況がある。帰国したものの、日本語を話せないため、定職に就けずに公的な支援で生活しているケースが多い。自力で墓を建てるのは難しく、共同墓地の設置を求める声も上がる。戦争の惨禍をくぐり抜け、戦後68年たった今も、安らぎを得られない孤児たち。支援者らは「思い焦がれた祖国で永眠できる場所を与えてあげたい」と訴える。

 中国残留孤児らを支援する「中国帰国者支援・交流センター」によると、共同墓地は少なくとも全国7都県10カ所にある。支援グループが寄付金を募るなどして土地を購入したり、自治体が墓地の一定区画を貸したりすることもある。

 仙台市は市営墓地に約50人が埋葬できる残留孤児や家族のための区画を設けたり、甲府市では山梨県日中平和友好会が共同墓地を運営し、約20人の遺骨を納めたりしているが、こうした対応は少ない。遺骨を日本で埋葬できずに「駄目なら中国で埋葬するしかない」と語る孤児の家族もいる。

 神戸市で暮らしていた孤児の粟田奉彦(ともひこ)さんは今年4月、70歳で亡くなった。妻の李栄華さん(66)は無職で、経済的な理由から夫の墓を建てられずにいる。「神戸で何とか埋葬してあげたい」と言うが、無理なら中国の自分の親族の墓に埋葬することも考えている。

 夫は2歳で終戦を迎え、旧満州(現中国東北部)の奉天(現遼寧省瀋陽市)に赤ん坊の妹と2人で取り残された。両親は既に亡くなっていたらしい。夫と妹は別々の中国人養父母に引き取られ、妹は子供の頃に亡くなった。

 李さんは夫と1967年4月に結婚し、建設会社で働いた。文化大革命に巻き込まれ、68年ごろには日本人だという理由だけで殴られた。その頃、息子2人が生まれた。「息子たちが今後、同じ目に遭わないとも限らない」。そんな思いから86年の訪日調査に参加し、94年8月に夫婦で帰国。その後、息子2人を呼び寄せた。

 夫も李さんも日本語が全く話せず、就職はできなかった。夫が亡くなった今、李さんは知的障害がある長男(45)と暮らす。夫の遺骨をどうするかは、別居している次男(42)と話し合っている。

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