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乳幼児向け安定ヨウ素剤 日医工、国内初開発へ

(2013年8月16日) 【北陸中日新聞】【朝刊】【その他】 この記事を印刷する

ゼリー化し飲みやすく

画像乳幼児用の安定ヨウ素剤に使うエアープッシュゼリーの技術を使った薬=日医工提供

 放射能による内部被ばくから身を守る安定ヨウ素剤で、ジェネリック(後発)医薬品メーカーの日医工(富山市)は、ゼリー状にした乳幼児用の開発を始めた。錠剤や粉末しかなく、固形物を飲み込めない乳幼児の服用が課題となっているため。2015年度中の製造承認を目指しており、完成すれば内部被ばく防止のためのヨウ素剤では、国内で初めての乳幼児用になる。(石井真暁)

 日医工が開発しているゼリー製剤は、柔らかいため水がなくても乳幼児が迅速に飲み込める。味は、子どもが好む甘さを検討中。

 容器は長さ約10センチのスティック状で、薬剤と空気を半分ずつ詰める。封を切って指で押すと、中身が出てくる仕組みで、日医工独自の「エアープッシュゼリー」という技術。生後1カ月未満の新生児用と1カ月〜3歳未満用があり、それぞれにヨウ素剤が16.3ミリグラムと32.5ミリグラム入る。15年2月には国に製造販売の承認申請をする計画。

 富山県によると、原発事故があれば国の指示を受けて、各厚生センターでヨウ素剤を配布。国のマニュアルに則し、13歳未満の子ども用は、センターの薬剤師らが別に備蓄しているシロップに粉末を混ぜて飲みやすくし、スポイトか、カップに入れて手渡す。

 ヨウ素剤をシロップに混ぜると、効用は長持ちしないため、事前の準備はできない。迅速な対応が必要な場面で、手作業で一つ一つを正確に調合しなければならず、県は「配布方法など関係機関と検討中。国には子ども用の開発を求めている」としている。

 石川県では昨年末までに、志賀原発(志賀町)から30キロ圏内に住む13歳以上40歳未満の8万1100人分と13歳未満の1万2600人分を計13カ所に分けて備蓄。担当者は「ゼリー状ができれば、高齢者にも応用できる」と期待する。

 安定ヨウ素剤 服用すると、放射性ヨウ素が甲状腺に取り込まれることを防ぎ、甲状腺がんを防ぐ効果がある。放射性ヨウ素を吸い込む可能性が高いときに服用する。ただし、一時的に甲状腺機能が低下するなどの副作用が出る可能性もある。

 日医工 富山市に本社を置く東証1部上場のジェネリック医薬品メーカー。1965(昭和40)年設立。東京や愛知県など、各地に生産拠点や支店を持つ。売上高939億2600万円(2013年3月期)。資本金135億5700万円。従業員880人(今年3月末現在)。

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