京都・福知山の花火大会屋台爆発:出火前にガソリン飛散 見物客の衣服に
毎日新聞 2013年08月17日 東京夕刊
京都府福知山市の花火大会会場で15日夜に起きた屋台爆発事故で、携行缶から噴出したガソリンが周囲にいた多数の花火見物客に降り注いで衣服などに付着したとみられることが、捜査関係者への取材で分かった。発火直後、人から人へ火が燃え移るなどしてやけどの被害が一気に広がった原因と考えられる。屋台の店主が携行缶の内圧を下げずにガソリンを注ごうとしたことが噴出につながったとの見方もあり、府警は今後、発火の再現実験を試みる。
府警によると、爆発したベビーカステラの屋台の店主は大阪市生野区の男性(38)。捜査関係者や目撃者によると、店主が花火の打ち上げ直前、発電機にガソリンを注ごうとして携行缶のふたを開けた際、ガソリンが噴き出た。爆発は、噴出したガソリンにカステラを焼く火が引火したことで起きた可能性が高いが、府警は、それだけでは直後に多数の人に火が燃え移るのは考えにくいとみている。
また、現場にいた複数の客は「爆発が起きた直後、服に火が付いた人が逃げまどい、ぶつかった別の人に燃え移った」「火を消そうと地面に転がったり、他の人が必死になってたたき続けたりした」などと証言。府警は、引火の前に多数の人にガソリンが降りかかり、衣服に染みこんでいたことがやけどの被害を拡大させた可能性があるとして、携行缶からガソリンが噴き出した経緯を調べる方針。事故では60人が負傷し、うち18人が重傷。【堀智行、村田拓也】