表情が晴れないＤｅＮＡ・中畑清監督

　ＤｅＮＡが「燃え尽き症候群」に陥ってしまった。１６日の広島戦（横浜）に２―５で敗戦。目標であるＣＳ出場に向け、３位の座をキープする鯉を相手に負けられない一戦だったはずが、２点のリードを守り切れずに逆転負けを喫した。

　ＤｅＮＡ幹部は深いため息をつきながら「東京ドームでの巨人３連戦を１勝１敗１分けで終え、選手が燃え尽きてしまっていた」と、この日の敗因を分析。

　１勝１敗で迎えた１５日の敵地・巨人戦は４点差を追いつくと総力戦の末、７―７で延長１２回引き分け。おそらくベンチは翌日も、その余韻に浸っていたのだろう。中畑監督はこの日の広島戦開始前「今日は勝てそうな気がする。根拠はないけど」と予言すると、加山雄三の名曲「君といつまでも」を突然熱唱し始めるなどノリノリだった。

　前出の幹部は「巨人に負け越さなかったことで気持ちが大きくなっていた。広島の緻密な野球にスキをつかれた」と悔しがった。

　３回にソロ２発で先制したが、広島は４回無死一、三塁から野村が犠打で一死二、三塁としてルイスの左前打で同点。７回にも二死二塁からキラの一塁内野安打をブランコがお手玉する間に二塁走者の菊池が一気に本塁へ生還した。スキのない野球にＤｅＮＡは辛酸をなめさせられた格好だ。

　試合後の中畑監督は「大味な試合をしてしまった。反省しないと」と肩を落としたが、ＤｅＮＡは昨年４月にも巨人戦の次のカードで２度の３連敗を経験している。今季の巨人戦はまだ７戦も残っているだけに「監督が古巣の巨人を意識し過ぎ」（チーム関係者）との指摘が心配だ。