ソリッド社の調査では、今回の選挙戦中の投稿で特に盛り上がりを見せたのは各党の政策というよりも「民主党の岡崎トミ子氏」と「反日運動参加」を結び付けたものや、原発政策や福島第1原発事故後の対応について民主党の鈴木寛氏と反原発運動家の山本太郎氏の意見の食い違い、情報の正確さなどに絡むものだったという。
■「ネトウヨ」ではなく「左寄り」
とはいえ内容が特に過激な主張に投稿が片寄っているとも言えない。ネットは韓国や中国について批判的で、愛国主義的、保守的な傾向を持つ「ネトウヨ」の影響が強いと指摘されることが多い。だが、ソリッドの分析ではネトウヨとみられる層は今回の参院選では民主党を激しく批判した投稿を重ねたが、そもそもフォロワーが限られているため、増幅効果、全体の論調への影響は極めて小さかった。一方、共産党の政策に対する意見は主要な政策の多くで肯定派と反対派が拮抗していた(図4)。日経の7月の調査で4%という共産党の支持率を考慮すれば、むしろ左寄りの傾向が強いとも言える。ツイッターでは憲法について約4割、原発では約3割、景気対策でも約2割を共産党の政策に肯定的な意見が占める。他党に比べ突出した割合だ。
■関心高い層によるバランスのとれた議論
ツイッターでは「パクツイ」と呼ばれる他人の投稿を「盗作」してそのまま再投稿する行為が流行っている。また、政党やそこから委託された組織により意図的に特定の投稿が増やされる可能性もありうる。実際、マーケティングの世界では特定の商品・サービスを他人に薦め、会員登録や購入につながった場合に報酬をもらえる「アフィリエイト」の情報も多く、ネット上の投稿データにはノイズが入りやすい。
だが、実際の政治関連の投稿は「現状ではあまり意図的な投稿は極めて少なく、『政治的に中立』と分類される投稿が45%程度を占めるとみられる。非常に政治に関心が高い層が比較的バランスを取りながら議論している印象」(重久氏)という。
また、各党の具体的な政策に関する投稿を分析すると、選挙戦略がうまくいった政党は有権者の関心が高いポイントをツイッター上であってもしっかり訴求できていたことも分かる。今回の自民党は原発や憲法といった微妙な問題に関するネットでの発信を避け『争点隠し』を狙ったと言われるが、ツイッター上では自民党に絡めて原発や憲法も話題に上っており、しかも評価はネガティブなものが多かった。憲法、外交・防衛で約半分、原発では6割以上が否定的な投稿だった。だが、文字制限のあるツイッターでは話題になりにくいが、有権者の関心が高い「景気・経済」に絡んだ投稿も同時に多く、評価も肯定的だった(図5)。
ツイッター、データセクション、鈴木寛、ネトウヨ、岡崎トミ子、山本太郎、日本経済新聞、ネット世論、データマイニング大手、佐藤哲也、高崎晴夫
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