阿波おどりに「踊る警察官」8月17日 7時11分
この夏、東京の大規模なイベントなどで群衆や参加者に、巧みな話術で、安全な誘導を呼びかける警視庁の機動隊員が、「DJポリス」として、話題を呼びました。
今、全国の警察では、日々、市民と接する警察官が、型にはまった呼びかけではなく、さまざまなアイデアで防犯対策や交通安全を呼びかけています。
伝統の徳島市の阿波おどりの会場にも、ユニークな警察官たちのグループが登場しました。
伝統のおどりで防犯PR
「母さんオレオレそーれはサギサギ」「交通ルールは守らにゃ損そん」被害が減らない振り込め詐欺への注意や、交通安全を呼びかける、徳島県警察本部の踊りのグループ。大勢の人が集まる祭りの場で犯罪の抑止や交通安全を訴えようと、警察官ら総勢およそ100人が参加しました。ユニークな掛け声に、観客からも声援が送られました。
参加した巡査長の思い
武田典弘巡査長(29)は、交通事故が少しでも減ってほしいという願いを込めて、阿波おどりに参加しました。
武田さんは、交通機動隊の白バイ隊員として、交通違反の取締りなどを行っています心がけているのは、違反ドライバーの心に届く取締りです。ある日のパトロール中、交差点を右折しようとするミニバイクを見つけました。大きな交差点などでは、違反につながるため、やさしく声をかけてミニバイクを誘導し、正しい走行のしかたを指導しました。
「私が怒って話しかけると、向こうも怒ってしまう。こちらが落ち着いて話しかけると向こうも興奮しているのが落ち着いてくる。怒りの中に反省は生まれないと思うんです。だから私は、諭すように声をかけるよう心がけています」と話しています。
徳島県内では交通死亡事故が相次いでいます。先月には、自転車に乗っていた中学生が車にはねられて、亡くなりました。
事故のあと、周辺をパトロールした武田さんは、子どもが犠牲になった事故に心を痛めました。
ふだん、接する機会のない人たちにも、交通安全を呼びかけたいと感じていた武田さん。阿波おどりへの参加は、そんなころに持ちかけられました。
武田さんは、踊りを盛り上げる「鳴り物」の大太鼓に抜てきされました。大太鼓は、おどり全体のリズムを左右する非常に難しい楽器です。メッセージをリズムに乗せて観客に届けたいと、武田さんは夜遅くまで練習しました。
そして迎えた本番当日。武田さんも太鼓をたたきながら、懸命に呼びかけました。
意外性が新鮮な驚きとなって共感を得られたという徳島県警。大きな事故もなく阿波おどりを終え、すでに来年の参加を検討しているということです。
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