温暖化でリンゴ「甘み増した」8月16日 4時40分
長野県と青森県で収穫されたリンゴは地球温暖化の影響で、平均気温が上昇したことにより、含まれる酸が少なくなるなどして、この30年で甘みが増したとする研究成果を茨城県つくば市の研究機関がまとめました。
茨城県つくば市の独立行政法人、「農研機構果樹研究所」は長野県と青森県で収穫されたリンゴの甘みが気温の変化によってどのように変わったのかを調べました。
その結果、3年前に長野県で収穫されたリンゴの「ふじ」は、その30年前に収穫されたものに比べて、果汁に含まれる酸の割合が14%減った一方、糖度は5%上がっていたということです。
また、青森県で収穫されたリンゴについても、ほぼ同じ結果が得られたということです。
2つの県ではいずれもこの30年間に平均気温がおよそ1度上がっているということで、研究グループは気温の上昇によってリンゴの呼吸が加速し、含まれる酸の消費が進んだうえ、実になる時期が早まり、糖分を作り出す光合成の期間が長くなったと説明しています。そして、「地球温暖化によってリンゴの甘みが増した」と結論づけています。
農研機構によりますと、温暖化と農作物の味を関連づけた研究成果は、世界的にも珍しいということです。
一方、温暖化に伴って、リンゴの表面が茶色く変色したり、赤く色づかなくなったりする悪い影響も出ていると指摘しています。
農研機構果樹研究所の杉浦俊彦上席研究員は、「温暖化でリンゴの味はよくなったとも言えるが、マイナスの部分もある。今回の研究結果を、品種改良につなげたい」と話しています。
この研究成果はイギリスのインターネット版の科学誌に掲載されています。
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