セブ島近くでフェリー沈没、２８人死亡、２００人超不明

　フィリピン中部セブ島の港近くで１６日午後９時（日本時間午後１０時）前、８７０人が乗ったフェリーが貨物船と衝突し、沈没した。沿岸警備隊によると、少なくとも２８人が死亡し、６２９人が救助された。２００人以上が行方不明となっている。

　同隊によると、外国人が乗っていたとの情報は今のところない。在フィリピンの日本大使館によると、救助された人の中に日本人はいなかった。大使館は、行方不明者に日本人がいないか確認を急いでいる。セブは日本人にも人気の観光地。

　地元メディアなどによると、フェリーが入港しようとした際、港から出てきた貨物船と衝突した。フェリーは衝突から３０分以内に沈没したという。

　フェリーは南部ミンダナオ島を出発、セブに立ち寄った後、マニラに向かう予定だった。沿岸警備隊や周辺の船が救助活動を続けている。

　救助されたフィリピン人乗客の一人は地元ラジオ局に「乗客のほとんどが眠っている時に突然、衝撃があり、船が徐々に沈み始めた。みんなパニックになって次々と海に飛び込んだ」と振り返った。

　目撃者の一人は地元メディアに「逃げ遅れた子どもも多かった。無事救助されることを祈るばかりだ」と語った。

　セブ港には１７日朝、乗客の家族らが次々と集まった。救助者リストに名前がなく、肩を落とす人の姿も。父親と連絡が取れないというセブ市の２０代の女性は「久しぶりの再会を楽しみにしていたのに」と泣き崩れた。（共同）