カステラ店のガソリン引火原因か 福知山署に特別捜査班
福知山市の由良川河川敷で15日夜に起きた福知山花火大会での露店の爆発事故で、ベビーカステラ店の30代の店主がガソリンの携行缶(20リットル入り)から自家発電機に給油しようとした際、気化したガソリンに鉄板の火が引火し、燃え広がった可能性が高いことが16日、京都府警への取材で分かった。府警捜査1課は福知山署に特別捜査班を設置した。
事故による負傷者は同日までの府警の調べで3~85歳の計60人となり、18人が全身やけどなどの重傷。10歳の男児が集中治療室(ICU)で手当てを受け、13歳の少年が意識不明の重体になるなど5人の症状が特に重いという。
府警と市消防本部は同日、合同で実況見分を行った。府警の説明によると、焼けた露店は3店並び、ベビーカステラを売っていた店が最も激しく燃えていた。
この店では発電機用のガソリンが少なくなったため、30代の男性店主が電源を切らずに携行缶からガソリンをつぎ足そうとした、との情報や、店主が携行缶を開けた際、「気化した燃料が噴出し、一気に燃え広がった」との目撃証言もある。
実況見分の結果、発電機と携行缶は、ともにふたが開いた状態でベビーカステラ店の西側にあり、カステラを焼く鉄板や反対側にあったガスボンベのつなぎ目も激しく燃えていたという。
当時、現場では2回の爆発音が響いたことから、府警は店主が給油しようとした際、気化したガソリンに鉄板の火が引火して爆発した後、鉄板からテントを伝ってボンベのつなぎ目に燃え移り、2回目の爆発が起きたとみている。
府警は入院中の店主の回復を待って事情を聴く方針で、業務上過失致傷容疑も視野に捜査する。実況見分後、発電機や携行缶など数十点を持ち帰り、破損状況や携行缶に残るガソリンの量などを調べる。
同日、経済産業省と総務省消防庁の職員らも現地入りし、事故原因を調査した。
花火大会実行委員会会長の谷村紘一・福知山商工会議所会頭はこの日、記者会見し、「包括的な責任は主催者にある。負傷者におわび申し上げる」と謝罪した。
【 2013年08月16日 23時52分 】